• イタリア、ミラノ
    「イタリアは今、制御不能な悲しい状況にあり、わたしは嵐の中心であるロンバルディ州にいます」と、写真家のルカ・ロカテッリ氏は言う。「ウイルスに対して特に脆弱なのは、わたしの母のような高齢者です。82歳の母は、頑固でタフで愛らしいイタリアのおばあちゃんです。母は、だれも自分に触れることができない状況を作っている、この目に見えない津波のことを理解できません。母を甥にも会わせず、抱きしめることもせず、マスクを着けるよう説得するのは悲しいことです。わたしは食べものとカメラを持って母のところへ行きます。10日が経過した今、これがわたしたちの儀式であり、現実となりました」(PHOTOGRAPH BY LUCA LOCATELLI)

  • マレーシア、クアラルンプール
    「2020年3月21日の午後7時頃。プサット・バンダル・ダマンサラ駅(うちからいちばん近い駅)から、ラッシュアワーの列車が出ていきます。下を通る幹線道路は、普段は午後8時過ぎまで混み合っていますが、今は閑散としています」と語るのは、写真家のイアン・テー氏。「マレーシア政府はCOVID-19の拡散速度を緩めるために、全国に2週間の移動制限を敷きました。外出が許されるのは食品や薬を買うときだけで、この写真もその時間を利用して撮影しています」(PHOTOGRAPH BY IAN TEH)

  • 米国カリフォルニア州、トパンガ
    「生活のペースを落として、家族がたくさんの時間を一緒に過ごすのはすばらしいことですが、ときにはイライラが募ります」。写真家である妻のカーラ・ガチェット氏と子供たちと一緒に過ごしているイヴァン・カシンスキー氏はそう語る。「自然に救われています。わたしたちは毎日、夜に長い散歩に出かけます。散歩道が心を癒やしてくれるように感じます」(PHOTOGRAPH BY IVAN KASHINSKY AND KARLA GACHET)

  • トルコ、イスタンブール
    「普段は海外での取材に明け暮れているフリーランスの写真家として、この先仕事がどうなるのか心配です」。イスタンブールに住むレナ・エフェンディ氏はそう語る。「昨年は仕事で約20カ国に行きましたが、今は家で娘と一緒にゆっくり過ごすのも楽しいように感じています」(PHOTOGRAPH BY RENA EFFENDI)

  • スウェーデン、イェーテボリ
    「自主隔離初日の朝、イェーテボリ近郊にあるわたしのパートナーのアパートの壁に、思いがけない光の花が現れました」と語るのは、写真家のアカシア・ジョンソン氏。「自主隔離を開始して以来、わたしは10代の頃に初めてカメラを手にしたときのように、日常の中にあるささやかな魔法を探して写真を撮るようになりました」(PHOTOGRAPH BY ACACIA JOHNSON)

  • ブラジル、バイーア州
    「ここバイーア州南部には、今回の危機に対処するための体制がありません。人々はいつもと変わらない暮らしを続け、ビーチへも行き、ときどき人との距離を開けるよう気を遣いながら過ごしています」。写真家のルイーサ・ドル氏はそう語る。「ここの住民は、森の中で育ち、生涯過酷な環境の中で働き続けるタフな人たちです。ウイルスなんかで死なないと、彼らは言います。また、彼らはとても信心深く、多くの人が、神が自分を守ってくれると強く信じているのです」(PHOTOGRAPH BY LUISA DÖRR)

  • スペイン、バルセロナ
    「写真家は24時間365日、ずっと写真家です。取材のときだけではありません」。そう語るパオロ・ヴェルツォーネ氏は、バルセロナの自宅の屋根に設置した即席ジムを撮影した。「自宅のキッチンや、わたしがこもっている20平方メートルほどの部屋から見える日々を記録するのは、実に楽しいものです。まるで砂漠の真ん中から、不思議な景色を眺めているかのようです」(PHOTOGRAPH BY PAOLO VERZONE)

  • イタリア、ミラノ
    「こうした事態になったとき、わたしが直感的に考えたのは、身の回りのものに美を見出そうということでした。写真と動画を通して、自分の家とその詩的な美しさを再発見するのです」。3月9日以来、家に閉じこもっているカミラ・フェラーリ氏はそう語る。「こうして強制的に生活のペースをスローダウンすることで、人間の活動が、地球やほかの人間にどんな影響を与えてきたかが、すぐに見えてくることでしょう」(PHOTOGRAPH BY CAMILLA FERRARI)

  • 米国フロリダ州、マイアミ
    「今回の危機にも良い面はあると感じています。それは世界全体が停止したことで得られたものです」と、写真家のマギー・スティーバー氏は言う。「予想外に手に入ったこの時間を使って、わたしはあるプロジェクトに取り組んでいます。自宅の庭からいろいろなものを集めたり、トカゲやミツバチやリスの活動を観察したりするのです。世界、仕事、生活など、いろいろと心配なことはありますが、世界が止まっている今は、心穏やかに過ごせる時間でもあります」(PHOTOGRAPH BY MAGGIE STEBER)

  • 米国オレゴン州、ポートランド
    「わたしは州外から自宅に戻ってきたばかりで、症状はなくとも、ウイルスを運んでいるのではないかとどうしても心配になります」。写真家のコリー・アーノルド氏はそう語る。「旅に出られないこの時間を、家族と過ごす有意義なものにしたいと思っています。わたしはパートナーのアリー・ニクラスと生後6週の息子ウォルフガングと一緒に、ポートランドに住んでいます。普段は月に2回は仕事で州外に出かけますが、今は家に閉じこもって、そう遠くない未来に襲ってくる健康や経済の危機を記録に残そうとしています」(PHOTOGRAPH BY COREY ARNOLD)

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