2020年10月末、スイス東部にあるダボスに造られた人工雪のクロスカントリーコースをスキーヤーが進む。前冬に降った雪を7メートルの高さに積み上げ、厚さ40センチのおがくずをかぶせて夏を越したものをまいた。（PHOTOGRAPH BY CIRIL JAZBEC）

スイス東部のペルス氷河で、地球物理学者のクリスティーネ・ゾイプレ、技術者のディーター・ミュラー、雪氷学者のアンドリ・モルが、地中レーダーで氷の厚さを測定する。この数十年で温暖化が加速し、アルプス山脈にある約4000の氷河から3分の2の氷が消失した。（PHOTOGRAPH BY CIRIL JAZBEC）

スイス南東部のリゾート、ディアボレッツァでは、貴重な雪に断熱シートをかけて保管している。アルプスのスキー場は天然雪だけに頼れなくなり、人工雪や貯蔵した雪を使う方法が一般的になった。（PHOTOGRAPH BY CIRIL JAZBEC）

ペルス氷河の氷洞を調査する研究者たち。氷洞は自然に形成されるが、最近、拡大傾向にあるのは氷河が後退しているためだ。なかには完全に消えた氷河もあり、地元住民の喪失感は大きい。温室効果ガスの排出を大幅に削減しないと、2100年にはアルプスから完全に氷が消えるかもしれない。（PHOTOGRAPH BY CIRIL JAZBEC）

モルテラッチ氷河の近くで育ったスイスの雪氷学者フェリクス・ケラー。アマチュアのバイオリン奏者でもある彼は、氷河の後退を止める計画を立てている。「完全にばかげていると言われます。まあ、そうかもしれません」（PHOTOGRAPH BY CIRIL JAZBEC）