1. ハイガオメンフクロウ(Tyto glaucops) ハイチかドミニカ共和国にでも住んでいない限り、お目にかかることはまずないだろう。ハート形の顔にだまされてはいけない。大きな黒目のハイガオメンフクロウは、100種以上もの生きものを捕食する強者だ。ドミニカ共和国サント・ドミンゴ・デ・グスマンのサント・ドミンゴ動物園で撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
2. ワシミミズク(Bubo bubo) もちろん、ワシの仲間ではない。れっきとしたフクロウだ。分布域はフクロウのなかでも最大級で、ヨーロッパとアジア全域に見られる。米パームビーチ動物園・保全協会で撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
3. カラフトフクロウ(Strix nebulosa) 空飛ぶ捕食者のカラフトフクロウは、音を聞いただけで獲物の居場所を特定し、そこをめがけて一気に急降下する。主にカナダに生息し、食べ物を求めて太平洋岸北西部まで遠征することもある。ふわふわの羽毛のおかげで実際よりも大きく見える。フクロウの中では背が高い方だが、体重は比較的軽い。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
4. ヒガシアメリカオオコノハズク(Megascops asio) 小柄なヒガシアメリカオオコノハズクは米国のほぼ全域に見られ、生息数が多く、増え続けている。黄色い目と灰色の羽が特徴で、ウマのいななきに似た3秒間の甲高い鳴き声のおかげで、姿は見えなくてもすぐにそれとわかる。写真は赤味がかったときの個体。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
5. クロワシミミズク(Bubo lacteus) オスよりもメスの方が大きくて体重も重い。若いうちは甲高い鳴き声を出すが、歳を取ると低いうめき声に変わる。米国ではめったに見られない。アフリカ中央部と南部に生息する。米アトランタ動物園で撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
6. アフリカオオコノハズク(Ptilopsis leucotis) アフリカオオコノハズクの「ポポちゃん」は、日本のテレビ番組に出演したこともある人気アイドルだが、原産地はアフリカ北部と中央部。人気の秘密は、小さくとがった羽角(うかく、いわゆる「耳」)にオレンジ色の虹彩が目立つ大きな目、そして黒と白の美しい模様の羽にある。米シンシナティ動物園で撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
7. アメリカコノハズク(Otus flammeolus) 「炎の色をした」という意味の英語名をもつアメリカコノハズクは、その名の通り火の玉のよう。北米に生息するフクロウのなかでも特に小さい。主に米国西部に見られる。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
8. メガネフクロウ(Pulsatrix perspicillata) メガネをかけているような顔の模様からこの名がついた。そのメガネでアメリカンフットボールを観戦するよりも、メキシコからブラジルまでの広大な生息地を飛び回る方が性に合っている。野生では、明るい黄色の多い目と白い眉が良く目立つ。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
9. トラフズク(Asio otus) トラフズクは、真のチームプレイヤーと言えるだろう。北米に生息し、10羽ほどの仲間と一緒に木にとまる姿が時折見られる。繁殖期になると大きな群れをなし、オスはジグザグ飛行をしたり、時には翼をたたいて雄姿を誇る。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
10. メンフクロウ(Tyto alba) 生息域の広いメンフクロウを、どこまで細かく分類するかは議論の的になっているが、写真は欧州に生息する個体。幽霊のように白い羽に黒い目をしたメンフクロウは、獲物を骨ごと丸呑みにする。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
11. コミミズク(Asio flammeus) 小さすぎてわかりにくいが、「耳」は確かにある。北米全域に分布し、ハワイにも生息。ハワイでは唯一の野生のフクロウだ。環境適応力が高く、植林された露天採鉱跡地にも営巣する。米ネブラスカ州マルコム近郊にある猛禽類回復センターで撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
12. アメリカワシミミズク(Bubo virginianus) アメリカ大陸で最もよく見られるフクロウ。特徴的な羽角で簡単に見分けがつく。ヒナに近づく者は人間でも容赦なく攻撃する。また、アライグマなど中型哺乳類の捕食が得意。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
13. シロフクロウ(Bubo scandiacus) 北米に生息するフクロウのなかで最も体重が重い。高速でぶつかると、大のおとなでもノックダウンされる。数々の驚異的な特性を持っているが、なかでも驚きなのは、北極圏で繁殖し、マイナス40度まで耐えられることだ。写真は若いメス。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)
14. ニシアメリカオオコノハズク(Otus kennicottii) 体は小さいが声は大きい。金切声というよりは、まとまったホーホーという鳴き声を立てる。双眼鏡ほどの大きさしかないが、彼らにとってサイズは問題ではない。ワタオウサギなど自分と同じ大きさの動物でも捕らえることができる。北米西部に生息。米サットン鳥類研究所で撮影。(PHOTOGRAPH BY JOEL SARTORE, NATIONAL GEOGRAPHIC PHOTO ARK)