• ホワイトホークウーマン、5600年前
    小柄でやせた女性で、25歳に達する前に出産が原因で死亡したとみられている(骨盤のあたりに胎児の骨が見つかった)。ブリテン島の新石器時代初期の埋葬地跡であるホワイトホークエンクロージャーで1933年に発掘された。最新のDNA解析により、ここに埋葬されていた人々は、後にブリテン島にやって来たビーカー人と比較して、一般的に肌も瞳の色も濃かったことが示唆された。彼らは、約4400年前にビーカー人に取って代わられた。(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)

  • ディッチリングロードマン、4400年前
    1921年の道路拡張工事で発見された。この道路の名がディッチリングロードだった。男性は、紀元前2400年頃にユーラシア大陸からブリテン島へ大量に押し寄せた農民集団の第一波に属していた。彼らは広口で独特な形をしたビーカー式土器を作っていたことから、ビーカー人と呼ばれている。男性の骨を調べたところ、成長期に何度か栄養不足に陥っており、それが彼の成長を少しばかり妨げたとみられている。死亡時の年齢は25~35歳で、その足もとにはビーカー式土器が、口のそばにはカタツムリの殻が数個置かれていた。(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)

  • スロンクヒルマン、2300年前
    死亡時の年齢は20代後半だが、死因は謎だ。1968年の高速道路建設中に発見された。活動的で屈強、健康な青年だったとみられる。備蓄用の穴の底に、体をやや折り曲げた状態で埋葬されていた。鉄器時代の典型的な埋葬法だが、奇妙なのは、男性の骨の下に軟体動物が分厚く敷き詰められていたこと。スロンクヒルマンの食事にシーフードは含まれていなかったはずなのに。(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)

  • パッチャムウーマン、1700年前
    ブリテン島が古代ローマの支配下にあった時代に生きていた女性で、1936年に溝を掘っていた労働者が発見した。かなり深い穴を掘って埋められていたようだが、ひょっとするとそこは犯罪の現場だったかもしれない。女性の後頭部には釘が深く突き刺さり、膝のあたりにも釘が数本散乱していた。すぐそばに男性の人骨も見つかっており、ふたりは互いに足を向けて横たわっていた。女性の脊椎や関節にはストレスや病気の痕が見られ、生前は絶えず体の痛みに悩まされていたと思われる。死亡時の推定年齢は25~35歳。(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)

  • スタッフォードロードマン、1500年前
    1985年に建設現場で発見された。男性は、ローマ人が去った後に押し寄せたサクソン人の第一波とともにブリテン島へ渡り、西暦500年頃にやりと刀と一緒に埋葬された。死亡時の年齢は45歳以上。当時としては長生きで、活動的な生活を送っていた。脊椎、肩、腰に関節炎の痕が見つかったほか、歯には巨大な腫れものができていた。おそらく、男性は膿瘍による激痛に苦しめられ、その感染症が脳に広がって命を落としたと思われる。(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)

  • ネアンデルタール人の女性、4万年前
    この女性はヨーロッパの別の場所で発見されたものだが、イングランド南部で出土した遺物から、ブライトンでは約4万年前にネアンデルタール人と現生人類が共存していたと考えられている。最後の氷河期の間、ユーラシア大陸とブリテン諸島を行き来するのは簡単だった。(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)

  • 初期の現生人類、4万年前
    この人骨もヨーロッパの別の場所で見つかったもの。ホモサピエンスの作った道具から、ネアンデルタール人が絶滅しようとしていた時期に現生人類もブライトンに住み着いていたことがわかっている。ネアンデルタール人と現生人類が、4000年間ヨーロッパで共存していた可能性を示す研究もある。(COURTESY ROYAL PAVILION & MUSEUMS, BRIGHTON & HOVE)

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 7人の「イギリス人」の顔が一挙に復元され、英国ブライトン博物館・美術館で公開された。イングランド南部の海岸で発見された頭骨を基に、法医学の技術を使って復元したもので、なかには4万年前のネアンデルタール人も含まれている。それらは、この地域の歴史がこれまで考えられていたよりもはるかに複雑であったことを物語っている。

文=Kristin Romey/訳=ルーバー荒井ハンナ

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