スロベニアの古都リュブリャナでローマ時代の共同墓地が出土した。墓地中央に眠っていたのは、有力者とみられる謎の女性。その周囲には、300人以上の遺体や装飾品などが女性に寄り添っていた。
文＝文＝MARJAN ŽIBERNA／写真＝ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC／訳＝鈴木和博
ギャラリー：スロベニアの古代墓地から出土した装飾品や石棺 写真9点
1700年前の青いガラスの器。直径20センチほどの大きさで、墓地の中心に埋葬されていた女性の隣に置かれていた。「長寿のため、永遠の命のために飲み干せ！」という意味のギリシャ語が刻まれている。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
スロベニアの首都リュブリャナの繁華街にあるゴスポスベツカ通り。リュブリャナの前身となったローマの入植地エモナの遺跡が発掘された。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
ゴスポスベツカ通りの遺跡からは、300を超える遺体が見つかっている。ローマ時代のエモナの住人がどのように生き、死んだのかを理解するための貴重な手がかりだ。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
6歳の少女が眠っていた石棺（サルコファガス）から見つかった装身具。金と黒いガラスでできた2つのブレスレットなどがあり、この少女は金の環と小さなガラス玉でできたシンプルなネックレスと、緑色の石がはめ込まれた金の指輪を身につけていた。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
ゴスポスベツカ通りで発掘された簡素な墓に埋葬されていた女性のネックレス。1700年前のもので、金とガラス玉でできている。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
青い盃とともに中央の墓に埋葬されていた女性のそばには、光沢のある黒玉製のブレスレットも2つあった。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
今回の発掘で見つかった紀元4世紀の硬貨。ローマの建国神話に登場するロムルスとレムスがオオカミに育てられている姿が描かれている。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
出土品の化学的組成を分析する線形加速器と、その隣に立つジガ・シミット博士。分析では、青い盃が地中海東部で作られた可能性が示唆されている。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
石棺に埋葬されていたのは、エモナの住民の中でも裕福な者だけだった。石棺は、30キロほど東にあるモラフチェの石灰岩から掘り出された。（PHOTOGRAPH BY ARNE HODALIČ AND KATJA BIDOVEC）
