• ヒトのゲノム(全遺伝情報)の約8%は、遠い祖先が感染したウイルスに由来する。そうした遺伝子の一部は、胚の初期の発達や、胎児と母親を結ぶ胎盤の形成などに重要な役割を果たしている。写真は妊娠13週の胎児。(PHOTOGRAPH BY LENNART NILSSON, TT/SCIENCE PHOTO LIBRARY(2点の画像を合成))

  • トラフザメが泳ぐ米国の太平洋水族館でダイバーが見せているのは、バクテリオファージの画像。これは細菌に感染するウイルスだが、動植物には無害で、海の生態系を健全に保つためには欠かせない。海洋には、こうしたウイルスが豊富に存在する。「熱帯サンゴ礁生息地・軟サンゴ園」と呼ばれるこの水槽には138万9875リットルの海水が含まれる。そこに存在するウイルスは推定5320兆個。並べれば地球をほぼ8周する長さになる。(PHOTOGRAPH BY CRAIG CUTLER.IMAGE OF BACTERIOPHAGE BY DOMINIK HREBÍK AND PAVEL PLEVKA, LABORATORY OF STRUCTURAL VIROLOGY, CEITEC, MASARYK UNIVERSITY, CZECH REPUBLIC)

  • フランス・パリの人類博物館でヒトの骨格のそばに置かれているのは、ネアンデルタール人の頭骨。アフリカを出た現生人類は、ネアンデルタール人と交配した。彼らから受け継いだ遺伝子は何十万年もかけて進化したものだ。ネアンデルタール人由来の遺伝子のうち、免疫反応を高めるものが152個特定されている。これらは、私たちの祖先を未知のウイルスから守る役目をしたとみられている。(PHOTOGRAPH BY RÉMI BÉNALI)

  • 米ユタ大学の神経科学者ジェイソン・シェパードが見せているのは、認知と記憶にとって重要なタンパク質のカプセルを再現した画像。この球体の設計図を秘めたArc 遺伝子は、約4億年前に陸生の脊椎動物が太古のウイルスから獲得した。このカプセルはウイルスのゲノムを包むカプシドに類似し、ヒトの脳(次ページ)をはじめ、多くの動物の脳でニューロン(神経細胞)からニューロンへと遺伝情報を運ぶ。(PHOTOGRAPH BY CRAIG CUTLER.PHOTOGRAPH OF PROTEIN CAPSULE BY SIMON ERLENDSSON, MRC LABORATORY OF MOLECULAR BIOLOGY)

  • 前ページで米ユタ大学の神経科学者ジェイソン・シェパードが見せているのは、認知と記憶にとって重要なタンパク質のカプセルを再現した画像。この球体の設計図を秘めたArc 遺伝子は、約4億年前に陸生の脊椎動物が太古のウイルスから獲得した。このカプセルはウイルスのゲノムを包むカプシドに類似し、ヒトの脳(上)をはじめ、多くの動物の脳でニューロン(神経細胞)からニューロンへと遺伝情報を運ぶ。(PHOTOGRAPH BY ROBERT CLARK)

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