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人類の広がりをDNA分析で調査する
「ジェノグラフィック・プロジェクト」




米国の遺伝学者スペンサー・ウエルズ博士と南アフリカ共和国のサン族。2001年。


ジェノグラフィック・プロジェクトの参加キット

プロジェクトへの参加方法

 米国ナショナル ジオグラフィック協会とIBMは共同で、世界各地で数十万人のDNAサンプルを収集・解析し、人類がどのように地球上に広がったかを探る「ジェノグラフィック・プロジェクト」を今後5年かけて行うことを発表しました。

 「ジェノグラフィック・プロジェクト」では、世界各地の先住民族や一般の方々など数十万人のDNAサンプルをコンピューターによって解析します。ナショナル ジオグラフィック協会の協会付き研究者で遺伝学者のスペンサー・ウエルズ博士をリーダーとし、世界各国の科学者チーム、IBMの研究者たちが協力して人類の遺伝的ルーツを解明します。ウエルズ博士は、本誌日本版2004年10月号の特集「地中海の覇者 フェニキア人」で、2000年前に姿を消したこの謎の民族の子孫を最新のDNA分析で調査しています。

 今回のプロジェクトは米国のウェイト・ファミリー財団の資金援助を受け、科学者たちが世界10カ所に設けるプロジェクト・センターで数十万点のDNAサンプルを分析する予定です。これにより、地球規模で人類がどのようにして各地を移動していったかが明らかになり、私たち人類の相互関連や相異に関して新たな知見が得られると期待されます。

 ジェノグラフィック・プロジェクトには、一般の方々も参加できます。専用キットを購入し、DNAサンプルを所定の研究所へ送ると、分析結果がデータベースに登録されます。そして、ナショナル ジオグラフィック協会のウェブサイト(nationalgeographic.com)にアクセスすれば、地球規模で行われるこの研究の進捗状況や自分の先祖がどのように地球上を移動したかをたどることができます。プロジェクトによって構築されるデータベースは、人類の遺伝情報を収集したものとしてはこれまでで最大規模となり、遺伝学者・歴史家・人類学者にとっては貴重な資料となることでしょう。

 IBMの、世界有数の生命科学研究所「コンピュテーショナル・バイオテクノロジー・センター」の科学者たちは、高度な分析技術やデータ分類技術を用い、DNAサンプルを読み取って蓄積したデータから新たなパターンや関連性を探し出します。そのほかにIBM社は、「ジェノグラフィック・プロジェクト」が解析する何十万もの遺伝情報を管理するコンピューター知識やインフラを提供しています。

「ジェノグラフィック・プロジェクト」の3つの柱
1)
フィールド・リサーチ
 世界各地の先住民族からDNAサンプルを採取し、現地調査を実施。これが当プロジェクトの中核となります。先住民族から採取した血液サンプル中のDNAには、数百世代にわたって変化することがあまりなかった重要な遺伝子マーカーが含まれており、古代の人類の移動パターンを知るうえで信頼性の高い指標となります。
 ウエルズ博士をはじめ、全世界の研究所から集まった科学者たちがフィールドワークと研究所での調査に当たります。国際的な諮問機関を設置し、テストする先住民族の選定や厳しく定められた採取・調査手続きが守られているかなどを監視します。

2)
一般参加と周知キャンペーン
 一般の方々もプロジェクトに参加できます。参加キット(99.95米ドル、送料・手数料は別)を購入し、頬の内側から採取したサンプルを提供していただきます。参加者はプロジェクトの進捗状況、また自分の先祖がたどった移動の歴史を知ることができます。参加者のプライバシーを守るため、個人情報は匿名で、厳重に管理されます。
 ナショナル ジオグラフィック協会とIBMはプロジェクトに関する最新情報を、ウェブサイトやナショナル ジオグラフィック協会の運営する様々なメディアを通じて、定期的に一般の方々や科学界に提供していきます。
 また、『アダムを探して』(仮邦題、原題『The Search of Adam』)と題したテレビ番組を制作し、米国では「ナショナル ジオグラフィック・チャンネル」の「エクスプローラー・シリーズ」で、また世界各地の「ナショナル ジオグラフィック・チャンネル」で放送する予定です。

3)
ジェノグラフィック・レガシー・プロジェクト
 一般の方々にご購入いただく専用キットの販売収益は、将来実施されるフィールド・リサーチや継続される事業の資金に充てられ、世界各地の文化に焦点を当てた非営利団体「ナショナル ジオグラフィック協会」の研究活動を支えることになります。具体的な継続事業としては、当プロジェクトに参加する先住民族の教育や文化保護といった活動を支援します。
 プロジェクトを率いる遺伝学者のスペンサー・ウエルズ博士は、「これは人類学にとって一大事件といえる重要な研究です。遺伝学の最新手法を駆使して、人類史上これまで知られていなかった謎の部分を埋めていくのです。私たちのDNAには、誰もが共有する一つの物語が書き込まれています。今後5年間にわたって、私たちはその物語を解読していくことになります。現代は、これまで人類が経験したことのないほど、人々の移動や交流が激しいため、この物語は失われる危険があるのです」と語る。

 また、ナショナル ジオグラフィック協会の理事長兼CEOのジョン・M・フェイヒーは、「ナショナル ジオグラフィック協会は、これまで117年にわたって様々な研究や探検、それに地図作りに取り組んできました。そして今、IBMとスペンサー・ウエルズ博士との共同プロジェクトで、人類が地球を旅した地図を、最新の科学技術を結集して作ることが可能になったのです。この意欲的で重要性の高いプロジェクトによって、私たち人類の共有する歴史の理解と正しい認識が高まることを望んでいます。ウェイト・ファミリー財団の資金援助を受けて、科学者たちは人類史の”バーチャル博物館”に足を踏み入れることになるのです」と話す。

 プロジェクトのスケジュールと分析内容、専用キットの入手方法などにつきまして、詳細が分かり次第、順次、情報を提供していく予定です。
(日経ナショナル ジオグラフィック社)








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