「世界を目指す人の写真集づくり」

優れた写真集は、写真家、ブックデザイナー、印刷技術者 3者の想いの集積で生まれる。
3者の想いが交錯し高められていく表現。制作過程にはどんな感覚的、技術的やりとりがあったのか、
数多くの写真家の作品を手がけてきたブックデザイナー町口覚氏のナビゲートだからこそ引き出される、
それぞれの心の中にあった「想い」を生の声として聞くことによって
写真集づくりに関わるクリエイターたちに新しい発見をもたらすのが、この講座の目的です。
写真家、ブックデザイナー、印刷技術者による異色の対談に、ぜひご期待ください。

【第3回】2017年3月7日(火)
  • ゲスト写真家

    十文字 美信

  • デザイナー

    山形 季央

  • 凸版印刷プリンティングディレクター

    田中 一也

写真集『わび』

出版社:淡交社

写真集『わび』について語る。

美意識としての『わび』を写真で表現する。見る者の意識に理解をゆだねる、鋭く、透徹した表現物としての写真集『わび』の生成を、写真家十文字美信氏、デザイン山形季央氏、印刷田中一也氏の意識と技術から解きほぐす。

十文字 美信氏
  • 写真家 十文字 美信

    1947年横浜生まれ。1971年独立。デビュー作「Untitled」はニューヨーク近代美術館の意欲的日本写真展「New Japanese Photography」展(1974)に招待展示される。80年台後半から、日本文化や美意識に興味を移行させる。尾形光琳「扇面貼交手箱」撮影、黄金美術への興味から『黄金風天人』(1990土門拳賞受賞)などとともに『わび』を刊行。『或るもの』(2015年)。 http://jumonjibishin.com

  • デザイナー 山形 季央

    1953年大阪生まれ。1976年資生堂宣伝部入社、2005年宣伝制作室長。2011年独立。多摩美術大学教授。資生堂キャンペーン、ブックデザインで東京ADC賞、ニューヨークADC賞・金賞など受賞多数。

  • プリンティングディレクター 田中 一也

    1985年、凸版印刷入社。グラフィック・アーツ・センター所属。小学館、講談社、集英社、世界文化社を中心にプリンティングディレクターとして活動。出版社書籍編集や写真家、イラストレーター、グラフィックデザイナーとの繋がりが多く、ここ数年はADP代表の久保田啓子氏、石岡怜子氏、葛西薫氏、原研哉氏、佐藤卓氏からの指名品目を中心に活動を展開。

写真集『わび』1
写真集『わび』2

十文字 美信氏は、どのような想いで『わび』の制作に向かったのか?

『わび』は、2002年淡交社刊。写真家十文字 美信氏の意志の詰まった写真集だ。日本人の美意識の表現に取り組んだ、日本の写真集の象徴ともいえる作品だ。十文字氏は、わびの表現を4章建てで構成している。自然の章、茶の章、現代の章、そして眼の章だ。わびの解釈は、写真家の自由な意思で決められている。既成の分かりやすい表現を求めれば、第二章だけで構成することもできたかもしれない。他の3章を加えた構成は、表現者としての開発でもあり、必然でもあった。

人それぞれの心の中にある意識を表現する試みは、安易に誰もが納得する予定調和であってはならない。章建てにこそ、写真家の意思が秘められている。このセミナーでは、十文字氏のこの写真集に取り組んだ意思を生の声で聞くことができる機会だ。

デザイナー山形季央氏には、写真家の心を具体的に構成するために、どのようなステップを踏んで、概念から具体へと落とし込んで行ったのか、どのような会話がなされたのか、最終的に意識や想いを、どのようにページに落としていったのかなど、意識を論理化するプロセスについて話をしていただく。

プリンティングディレクター、田中一也氏の仕事の中でも『わび』は記憶に残るものという。写真家、デザイナーとの意識は印刷工程にどのように反映したのか、PDとしての表現への関与とはどのようなものと意識しているのか、現代PD論としても興味深い。

「世界を目指す人の写真集づくり」

【第3回】十文字 美信 『わび』

会 場

2017年3月7日(火):六本木アカデミーヒルズ(定員40名)

時 間

18:30開場 19:00〜22:00

受講料

15,000円 (税込)

※都合により、講演者、講演内容は変更になることもございます。あらかじめ、ご了承ください。

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