「世界を目指す人の写真集づくり」

優れた写真集は、写真家、ブックデザイナー、印刷技術者 3者の想いの集積で生まれる。
3者の想いが交錯し高められていく表現。制作過程にはどんな感覚的、技術的やりとりがあったのか、
数多くの写真家の作品を手がけてきたブックデザイナー町口覚氏のナビゲートだからこそ引き出される、
それぞれの心の中にあった「想い」を生の声として聞くことによって
写真集づくりに関わるクリエイターたちに新しい発見をもたらすのが、この講座の目的です。
写真家、ブックデザイナー、印刷技術者による異色の対談に、ぜひご期待ください。

【第2回】2016年12月7日(水)
  • ゲスト写真家

    竹沢 うるま

  • デザイナー

    おおうち おさむ

  • 凸版印刷プリンティングディレクター

    十文字 義美

写真集『Kor La』

出版社:小学館

写真集『Kor La』について語る。

チベット文化圏。厳しい自然に囲まれた生活。人々の祈りの心を映像に捉える試みは、どのように写真集に結実したのか、竹沢氏、デザインおおうち おさむ氏、凸版印刷十文字義美氏の、想いとの格闘とも言える制作過程が語られる。

竹沢 うるま氏
  • 写真家 竹沢 うるま

    1977年生まれ。同志社大学法学部法律学科に入学。在学中、沖縄を訪れて海の中の世界を初めて見て驚き、自身が見て感じたことを記録に残そうと写真を始める。その後、アメリカ一年滞在を経て、独学で写真を学ぶ。卒業後、 ダイビング雑誌のスタッフフォトグラファーとして水中撮影を専門とし、2004年より写真家としての活動を本格的に開始。2010年〜2012年にかけて、1021日103カ国を巡る旅を終え、現在に至る。2014 第3回日経ナショナルジオグラフィック写真賞グランプリ受賞。 http://uruma-photo.com

  • デザイナー おおうち おさむ

    アートディレクター/グラフィックデザイナー。有限会社ナノナノグラフィックス代表。日本グラフィックデザイナー協会会員。多摩美術大学美術学部グラフィックデザイン学科卒。(故)田中一光に師事、無印良品、資生堂、サルヴァトーレ・フェラガなどのプロジェクトを手掛け2002年に独立。展覧会、書籍、C.I.デザインを中心に活躍中。写真関係のデザインは数多く、土門拳、入江泰吉、ロベール・ドアノー、イジス、エドワード・スタイケン、アンリカルティエ・ブレッソン、マルク・リブー等の展覧会や写真集をデザイン。近作には、フジフイルム・フォトコレクションのアートディレクション、小学館創立90周年企画の『日本美術全集』、集英社創立90周年企画の『世界の動物遺産』などがある。 www.nanogra.com

  • プリンティングディレクター 十文字 義美

    1967年、凸版印刷株式会社入社。グラフィック・アーツ・センター所属。主に高細線印刷、高彩度印刷やタブルトーン、トリプルトーン、プラチナプリントなどのモノトーンの表現方法を得意とする。写真家、エディトリアルデザイナー、編集者からの指名が多く、数多くの写真集や作品集、画集、絵本、料理本と幅広く手掛ける。最近関与した写真家は、藤原幸一氏、中村征夫氏、本城直季氏、徳永克彦氏、植田正治作品集などがある。

『Kor La』とは

竹沢うるま氏最新の写真集『Kor La』は、「祈り」の意味を追い求めてチベット仏教圏を歩き続けて出した、写真家回答だ。竹沢うるまさんといえば、2013年に出した『Walkabout』が国内ばかりでなく、海外でも注目を浴びた。この写真集は写真家が、103カ国を足掛け3年で歩き、おちあえた人々の生活や心を、写真280点、320ページに描き出した分厚い写真集だ。

ドキュメンタリー写真家への道

プロ写真家としての仕事は、ダイビング雑誌の社員カメラマンとしてスタートした。当然、会社の方針があり、それに沿った撮影取材が仕事だ。この仕事の中で、より自分らしい独自の表現を求める気持ちが高まってきた。言葉より写真での表現が自分には向いていると考えていたこともあり、自分の表現には、自身で真のテーマを探したい。1000日を越す旅に出たのは表現者としての自立への欲求からだったのではないか。

読者にテーマを与える表現

『Kor La』は、その旅の中から出たテーマへの回答を探ろうとした取材だった。チベットを取り囲む環境は、様々な意味で厳しい。その風土に生きるものの祈りの意味とは何か。大地と人々の生活に根ざした祈りを、自然な写真家の目で追っていく。写真集は、今回も約200ページに及ぶ大作だ。手に取ったものは、ページをくくりながら、撮影者が、どのように自分のテーマに取り組んできたのか、心の流れを推察しながら追っていく。理解や解釈を与えることを目指さない。読者にテーマを与える表現として、この写真集は、世代や属性を超え、強い印象を与える、感性のドキュメンタリーとなっている。

写真家やデザイナー、印刷技術者に行動派の感性を伝えることはできたのか。200ページにわたる写真をどのように選び、構成したのか、多くの峠に囲まれた大地の空気や生活を、印刷技術はどのように支えたのか、それぞれの生の声から理解を深めてほしい。

「世界を目指す人の写真集づくり」

【第2回】竹沢 うるま 『Kor La』

会 場

2016年12月7日(水):東京・ラーニングスクエア新橋(定員35名)

時 間

18:30開場 19:00〜22:00

受講料

15,000円 (税込)

※都合により、講演者、講演内容は変更になることもございます。あらかじめ、ご了承ください。

【受付を終了いたしました】