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特集

壊れゆくサンゴの王国

MAY 2011

文=ジェニファー・S・ホーランド/写真=デビッド・デュビレ

ーストラリア北東部に位置する世界最大のサンゴ礁帯、グレート・バリア・リーフ。気候変動による海水温の上昇や海水の酸性化により、かつてない危機に直面している。

 オーストラリア北東部の沿岸に2300キロにわたって延びるサンゴ礁地帯、グレート・バリア・リーフ。ここには多様な海洋生物たちが生息している。5000種の軟体動物、1800種の魚、125種のサメ、30種の哺乳類、6種のウミガメ、それに数えきれないほど多くの微細な生き物たち。しかし、この海域を代表する生物はサンゴをおいてほかにない。約71属400種のサンゴが世界最大のサンゴ礁を形作ってきたのだ。

 1975年、リーフの大部分は海洋公園に指定され、サンゴ礁とその生態系が保護されることになった。81年にはユネスコの世界遺産にも登録されている。こうして、漁業や観光などが及ぼす影響は制限されるようになったが、サンゴは新たな脅威に直面している。最大の脅威となっているのが、気候変動によるサンゴの白化現象だ。1997~98年以降、大規模な白化現象は3回起きていて、今後は毎年発生する恐れがあると考える専門家もいる。
 果たして、地球最大のサンゴ礁は生き残ることができるのだろうか?

 大学在学中、2カ月の夏休みを利用してオセアニアで放浪の旅をした際に、ケアンズでダイビングの免許を取りました。スクールと提携していた安宿のおじさんの「1泊タダにしてあげるから」という口車に乗せられた格好でしたが、思えば贅沢な環境で講習を受けたものです。実習ではクジラが挨拶に訪れ、もちろん足元にはサンゴ礁が“わんさか”広がっていました。特集では、そんな楽園が今抱える問題が報告されていますが、全体を通して見えてくるのは、サンゴのたくましい生命力。最後の章「自然の底力」を読み終えて、この夏、もう一度潜りに行こうと決心しました。(編集H.O)

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