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特集

シリーズ 地球のいのち サウスジョージア島

DECEMBER 2009

文=ケネス・ブラウワー 写真=ポール・ニックレン

大西洋に浮かぶ英領サウス・ジョージア島。かつてアザラシが乱獲され、捕鯨基地があった島に、生き物たちが戻りつつある。

 大西洋の南の果て。南極大陸からほど近い海にぽっかりと浮かぶサウスジョージア島は、三日月の形をした全長180キロほどの島だ。船に乗って近づいていくと、山の峰々がまるで海から飛び出したかのように、忽然(こつぜん)と姿を現す。そこにはいくつもの岩山がそびえ、氷原や氷河がそこかしこに広がる。

 島は、半分が万年雪と氷に覆われている一方、半分はむき出しの岩と緑の植生に埋めつくされている。サウスジョージア島には、こうした二面性がほかにもたくさんある。不思議でとらえどころがない、“二つの顔をもつ島”なのだ。

 たとえば天候。太陽が出たと思えば、次の瞬間には暗くなり、みぞれが降り出す。たとえば歴史。島がたどってきた運命は、祝福されていると同時にのろわれているようにも思える。地球上のどこを探しても、これほど相反する要素に満ちた場所はないだろう。

 最初に挙げた風景の二面性は、島を訪れる人にそれぞれ違った印象を残すだろう。つまり、北からサウスジョージア島にやってきた人は、ここを極寒の地だと感じるが、南の南極半島から来た人にとって、植物であふれる島は熱帯地域と見まがうほどかもしれない。南極大陸には、維管束植物の在来種は2種しかないが、サウスジョージア島には26種もあるのだ。

 探検家アーネスト・シャクルトンがエンデュアランス号に乗って南極横断に挑み、南極海の氷塊に阻まれて座礁したのはおよそ100年前。1年4カ月にわたって漂流したシャクルトンは、救助を求めるため、5人の隊員を連れて救命ボートで海を渡り、サウスジョージア島にたどり着いた。彼の目には、雪に覆われた島は楽園のように見えたにちがいない。

 今年2月、写真家のポール・ニックレンと私はシャクルトンと同じルートをたどった。南極半島を出発して、サウスシェトランド諸島の沖合を航海し、サウスジョージア島に向かう。シャクルトンは全長わずか7メートルの救命ボートに乗って、ここを命がけで航海したのだ。

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