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特集

超巨大火山
イエローストーン

AUGUST 2009


 しかし、太古に起きた噴火の影響は、今も見つけることができる。例えば、ここの森林の大半を占めるロッジポール・パインは、イエローストーンのカルデラのような栄養分の乏しい土地に適応した樹木だし、一帯の土地はまさに“煮え立っている”と言える。公園内を流れる河川にはマスが数多く生息しているが、水温の低いイエローストーン湖の底から湧き出す熱水がなければ、これだけの数は生息できない。また、間欠泉や噴気孔、泥火山をはじめ、さまざまな熱水活動が見られ、世界中に存在する間欠泉の半数がイエローストーンに集中しているのだ。

イエローストーンは生きていた

 19世紀後半にドーン少尉が信じたように、イエローストーンの地下の火山は既に活動を終えた死火山か、あるいは、衰退期の火山だと長い間、考えられてきた。そして、1950年代の末になって、ハーバード大学大学院生のフランシス・ボイドが、溶融した凝灰岩(ぎょうかいがん)の地層を見つけて興味を抱いたことで、新しい光が当たることになる。凝灰岩は火山灰が高温で圧縮されてできるが、ボイドは目の前の地層が、地質学的な意味で“最近の”噴火による火砕流で形成されたと考えた。

 1965年には、ボブ・クリスチャンセンが2つ目の溶融凝灰岩の地層を発見した。その翌年、クリスチャンセンは同僚とともに3つ目の地層を発見する。クリスチャンセンらは、岩石の年代測定に一般的に用いられるカリウム・アルゴン法で、3つの地層がそれぞれ別の噴火の痕跡であることを突き止めた。

 1973年、イエローストーン湖サウス・アームにあるピール島を調査していたボブ・スミスと同僚たちは、奇妙な光景に気づいた。湖畔の樹木の一部が水没し、枯れていたのだ。スミスは56年にもこの一帯を調査したことがあり、その時に使用した桟橋を今回も使うつもりだったが、桟橋は水没し、使える状態ではなかった。一体、ここで何が起きているのだろう?

 興味をかきたてられたスミスは、1923年から公園全域に設置されてきた水準点を調べることにした。その結果、イエローストーン湖北側のカルデラに広がるヘイデン渓谷が、過去50年ほどで約75センチ隆起していることが明らかになった。一方、湖の標高の低い地点は全く変化がなかった。つまり、湖の北側が隆起したため、水が南側に集まり、水位が上がったのだ。また、地面はドーム状に盛り上がっていた。火山がまだ活動を続けている証拠だった。

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