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特集

望遠鏡 新たな時代へ

JULY 2009

文=ティモシー・フェリス 写真=ジョー・マクナリー

400年前にガリレオが使って以来、望遠鏡は大きな進化を遂げた。その精緻な“目”は、私たちに宇宙のどんな姿を見せてくれるのか。

 望遠鏡で星空を眺め始めると、たいてい次のような体験をする。

 まずは、目に映る光景に驚く。土星の金色の環、黒いベルベットの布の上できらめく宝石のような星団、人類誕生よりはるかに前に放たれた銀河の輝き-。人類と地球が宇宙という巨大なシステムの一部にすぎないのだと実感して、驚くこともあるだろう。そして次に感じるのが、もっと大きな天体望遠鏡がほしいという欲求だ。

 400年前、天体望遠鏡による本格的な観測を初めて行ったガリレオ・ガリレイは、誰よりも先にこんな体験をした人物だと言える。

 自作の望遠鏡を使って星空を眺めたガリレオはまず、見える星の数の多さに驚嘆した。オリオン座に見つけた星をすべて天球図に書き込もうとしたが、「星の数のあまりの多さに圧倒されて」断念したほどだった。

 ガリレオは月面に山脈があるのを見つけ、木星の周囲を回る四つの明るい衛星の動きも記録した。木星と衛星の関係は、まるで小さな太陽系のように見えた。当時、コペルニクスが唱えた太陽を中心に置く宇宙モデルを批判する人々は、そんなことは物理的にみてあり得ないと主張していたが、観測結果から判断するかぎり、地球は小さな宇宙の大きな一部ではなく、大きな宇宙の小さな一部だった。

 そしてまもなく、ガリレオはもっと大きくて高性能の望遠鏡をつくり始める。まだ大型の集光レンズがなかったので、筒を伸ばすことに精力を傾けた。当時の望遠鏡には、レンズを通して見たときに天体の像の周囲に色がつく「色収差」と呼ばれる問題があったが、筒を長くすることでこの問題が改善されたほか、倍率を以前のものより高くすることができた。

 その後の天文学者は、ガラスレンズを用いたガリレオの屈折望遠鏡の改良に全力を注ぎ、ときにはとてつもなく長い望遠鏡をつくった。

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