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特集

知られざる
アリたちの驚異

SEPTEMBER 2007

文・写真=マーク・W・モフェット

瞬の早業で餌を狩る。仲間の体を掃除する。巣穴に“細工”をして敵をだます・・・25年間アリを観察してきた昆虫写真家が、アリたちの小さな体に秘められた驚異の能力を紹介する。

 25年間、アリの観察を続けてきた私には、一つだけ断言できることがある。それは、落ち葉の下にすむアリでも、樹皮の裏側にすむアリでも、みな驚くべき身体能力を秘めているということだ。

目にも留まらぬ速さ

 アギトアリの大顎(おおあご)には鋭敏な感覚毛がついていて、獲物になる昆虫がその毛に触れると瞬時に閉じる。これほど反応のすばやい動物はほかにいない。

アリ同士の“助け合い”

 ほとんどのアリはとてもきれい好きで、自分自身や巣の仲間の体を丹念に掃除する。私は昨年初めて、米アリゾナ州の砂漠でシュウカクアリを観察中、種類の違うアリ同士のグルーミング(体の掃除)と思われる現象を目撃した。

動きののろいアリ

 清潔さにまるで無頓着なのが、南米エクアドルのカクレウロコアリだ。かつては稀少種と思われていたが、実はごく普通にみかけるアリだ。普通でないのはその不潔さだ。細かい毛のはえた体を泥まみれにして、カムフラージュしている。

“だまし”の名手

 南米エクアドルのナガアリは、天敵が近づくと、巣の入り口を小石でふさぐ。さらにこのアリは、空っぽの巣にも入り口をつくっておき、襲撃してくるグンタイアリをだます。

宙を舞うアリ

 ジャングルの樹冠部にすむアリは、つねに風や雨に吹き飛ばされる危険にさらされている。 落下するナベブタアリは、スカイダイビングをするように、脚や胴体でバランスを取りながら落下速度をコントロールし、途中で体を180度回転させてから、木の幹に着地する。

餌を「下ごしらえ」

 キッカイアリは、ヤマアラシのようなかたい毛に覆われた餌のフサヤスデを、きちんと下ごしらえしてから食べる。まず顎でヤスデをしっかりつかまえ、前脚を使って剛毛を剥ぎ取る。こうして獲物をすっかり丸裸にすると、キッカイアリはヤスデの頭にかぶりつき、尾の先端へ向かって、むさぼるように食べ始める。

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