ザクーマ
滅びゆくゾウの王国

 チャド南東部にあるザクーマ国立公園は、世界最大のゾウの生息地だ。奴隷制度や植民地化、内戦といった動乱の歴史を乗り越え、自然保護活動家たちは、ここに野生生物の楽園を築き上げた。

 3100平方キロ余りの面積をもつザクーマ国立公園では、武装したレンジャーたちがここに生息する数多くの動物たちを守っている。彼らは、自らの命を危険にさらしながらも、闇市場で売りさばいたり、縁起ものとして飾るために動物を殺す密猟者と闘っている。普段は乾ききったこの地域に雨期が到来すると、3500頭ほどのゾウたちは、豊富な餌を求めて、公園の境界の外へと出ていく。そこでは、密猟者がゾウたちを待ち構えている。

 2006年の雨期が始まる頃、ザクーマに向かった自然保護活動家のJ・マイケル・フェイと、ナショナル ジオグラフィックの写真家マイケル・ニコルズはそこで、公園のすぐ外側に潜み、ゾウたちを脅かしている危険を目の当たりにした。

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