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特集

羽ばたく宝石 ハチドリ

FEBRUARY 2007

文=マイケル・クレシウス 写真=ルイス・A・マサリエゴス

北アメリカとカリブ海諸島だけに生息するハチドリ。美しい外見とは裏腹に、過酷な環境でも生息できるたくましい生物だ。

   ほんの一瞬、きらめく瑠璃色と翼の羽ばたきが見えた。つかの間の幻のような、小さな鳥――それとも虫だったのだろうか?数秒後、今度はもっとはっきりと、その姿を現した。鳥なのは間違いない。人の親指ほどのちっぽけな体で、踊るように飛び回っている。猛烈な速さの羽ばたきは1秒間80回に達することもあり、翼がブーンとかすかな音を立てる。尾羽で舵を取るようにして、空中で位置を少しずつ変えては、ラッパ形をしたオレンジ色の花をのぞき込み、長く尖ったくちばしから糸のように細い舌をひらめかせる。光沢のある羽に日が当たると、晴れた日のショーウィンドウに飾られた宝石のようにきらきらと輝いた。

 この小さな驚異、ハチドリの愛らしさを目の当たりにすると、その美しさを何とか伝えようと思わずにはいられない。いつもはお堅い研究者たちでさえ、「美しい」「目の覚めるような」「魅惑的な」といった表現を使いたくなるほどである。

 一見華奢に見えるハチドリたちは、意外なことに、動物界でも指折りの強靱さを備えている。およそ330種のハチドリは、時には過酷ともいえる環境でさえ繁殖することができる。その生息地は多様で、米国のアラスカからアルゼンチンまで、米国アリゾナの砂漠からカナダ東岸のノバスコシアの沿岸部まで、そしてブラジルの低地林から標高4500メートルを超すアンデス山脈の雪線付近にまでにわたる。しかし不思議なことに、南北アメリカ大陸とカリブ海諸島以外では発見されていない。

 「ハチドリは脊椎動物にとっては極限ともいえる環境にも生息し、うまく適応している」とドイツの鳥類学者カール・シュフマンは説明する。飼育下では17年生きた例もあるという。「体重わずか5、6グラムの生き物としては、驚くほど長寿です」。小さな心臓は、木に止まっていても1分間に平均500回も拍動する。生涯に刻む総心拍数は45億回ほどで、70歳の人間のほぼ2倍だ。

本誌には、より詳しい情報が掲載されています。ぜひ本誌もお読みください。


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