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アリの社会
記事の筆者と写真家が、取材現場から報告する「最高の経験」、「最悪の体験」、そして「最も風変わりな思い出」。



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エッセイ=エドワード・O・ウィルソン 文・写真=マーク・F・モフェット

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 女王、兵士、働きアリがそれぞれの役割に従って集団行動をとり、驚異的なパワーを発揮するアリの社会。その不思議な生態をのぞいてみよう。

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 ライオン、トラ、クマ、そして人間…獰猛で恐ろしい生き物は数々いるが、こと戦闘となると軍隊アリほど手強いものはいない。甲冑のような硬い体と鎌のような大顎をもつ、この百戦錬磨のつわものたちは、おびただしい数で団結して行動し、自分たちよりはるかに大きな獲物をむさぼるように食ってしまう。

 槍を構えた人間の集団が巨大なマンモスに立ち向かうように、軍隊アリは自分たちより大きなタランチュラやサソリに大挙して襲いかかる。軍隊アリの群れは、毎日、こうした獲物を何万匹も狩る。

 中米パナマには、軍隊アリの生態観察に絶好の場所がある。パナマ運河の建設でできた人工湖に浮かぶ、面積約15平方キロのバロ・コロラド島だ。この島では、バーチェルグンタイアリが50ほどのコロニーをつくっている。

 そもそも「軍隊アリ」という呼称は、バーチェルグンタイアリの生態からつけられたものだ。このアリは、30万~70万匹もの巨大なコロニーを形成するが、定住せず、巣の場所を次々と変える。軍隊アリはどれも、集団で獲物を狩る。軍隊アリ以外のアリが1匹ずつ単独で食物を探すのに対し、軍隊アリは大群で出撃する。軍隊アリは目が見えないが、大勢で殺到して獲物を倒してしまう。

 バーチェルグンタイアリがふだん餌食にするのは、軍隊アリ以外のアリのほか、クモやサソリなどの節足動物だ。逃げそこなったトカゲやヘビ、カエルを殺してしまうこともあるが、食べはしない。襲撃の形態は絨毯状襲撃と呼ばれる。巣から出た20万匹ほどのバーチェルグンタイアリは、散開して幅15メートルにも及ぶ扇状の隊列をつくる。このアリを補食する野鳥は、襲撃隊の後をつけ、散り散りに逃げようとするアリたちをついばむ。

詳しくは本誌をお読み下さい。


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特集関連の豆知識

 軍隊アリは破壊的な捕食者だ。しかし、腹を空かせた大群から逃れる方法がないわけではない。狙われやすいものたちのなかには、ごく普通の手段で逃げおおせているものもいる。たとえば、ハエは飛び去り、キリギリスやバッタなどはぴょんぴょんと跳び去る。そして、軍隊アリ対策を習得した種に進化していったものもいる。

  軍隊アリの目が見えないことをうまく利用して逃げるのも手だが、それには相当の度胸が必要だ。ナナフシは、何百万匹ものアリに出くわすと、完全に静止する。万が一少しでも身体が動いてしまえば、アリはその振動を感じ取ってしまうので、かなり危険な方法だ。よろいを着ているような身体のカブトムシも、やはりじっとしてアリたちが行き過ぎるのを待つ。

  クモや、口から糸を出す類のイモムシは、その特技を生かし、糸で器用に植物からぶら下がる。アリたちにとって、糸は細すぎて渡れないのだ。ナメクジのなかには、この糸を使った護身術をひとひねりした技を持つものがいる。葉の上でアリに追い詰められると、べたべたとした粘液を出すのだ。アリの援軍がやって来て、さらに端まであとずさりを強いられると、イモムシは最後は葉から滑り落ち、粘液でできた糸で葉からぶら下がる。この粘液の糸を渡るのは不可能だ。

  軍隊アリは、ハチやシロアリ、他の種のアリなど、社会を形成する昆虫を捕食する。軍隊同士が戦うと、いい勝負になるのだろうか?そうでもないようだ。たいていは、軍隊アリが勝利を収める。米国アリゾナ州に生息するアリのなかには、軍隊アリに攻撃されると、すさまじい勢いで巣を防衛すると同時に、コロニーを移動させる種もいる。機動軍が卵や幼虫、サナギを運び出し、近くの植物に登って何時間もの間じっとしている。やがて、ゆっくりと、そして用心深く、荒らされた巣へと戻っていく。

  ハチの場合、巣を攻撃されるとたいていは逃げていく。しかし、事前に仲間に警告を発するものもいる。ある種は、軍隊アリが近づいてくるのに気づくと、たくさんのハチが巣の入り口に止まり、翅(はね)を激しく動かして巣を振動させ、巣の中にいる仲間に警鐘を鳴らす。また、巣から頭部を出し、顎部を打ちつけて音を出す種もいる。この音は、7メートル先からも聞こえるほどだ。もっと攻撃的なハチは、アリの大群のただ中へと飛んで行き、一匹ずつアリを捕まえては離れたところに落とすことで、巣を守ろうとする。残念ながら、敵の数が多すぎて、この方法は有効ではない。ほかには、数匹が巣の入り口にはりつき、身体をもって巣への進入を食い止めようとするハチもいるが、やがてはこのバリケードも、アリの触角に撤去されてしまう。

  軍隊アリに攻撃されると、奇妙な反応をみせるものがいる。西アフリカに生息する巨大なミミズは、アリの大群が近づいてくるのに気がつくと、どんな行動をとるだろうか。地中に潜るのか?そうではない。一番近くにある木に登るのだ。カタツムリのなかには、泡を吐いて身体を隠すという防衛策をとるものもいる。脊椎動物だって攻撃を受けることがある。ミナミモリジネズミの長い足とすばらしい跳躍力は、軍隊アリの大群から素早く逃れるための術として進化したものだ。

  恐ろしい軍隊アリの襲撃だが、実は森の生物多様性の維持に一役買っている。森の中の倒れた木には、あらゆる種が入り込み、住みつき、繁栄する。軍隊アリが攻撃し、破壊したあとには、まるで黒板をきれいに消したかのように、何の生命も残っていない。アリの襲撃跡は、あらゆる生命にとって生息するチャンスに満ちた、生物多様性をはぐくむのに絶好の場所なのだ。少なくとも、次にアリたちに襲われるまでは。

――デビッド・A・オコナー

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関連リンク

アント・インサイト:軍隊アリを専門とする科学者、スコット・パウエルのサイト。いろいろな軍隊アリの情報や写真が掲載されている。
homepage.mac.com/scottpowell/antinsights/index.html

バロ・コロラド島:米国スミソニアン熱帯研究所によるサイト。本誌に掲載されている写真の撮影場所であるバロ・コロラド島についての情報を提供している。
stri.org/english/research/facilities/terrestrial/barro_colorado/index.php

アント・ラボ(アリ研究所):ナショナル ジオグラフィック協会の支援を受け、軍隊アリを研究している米オクラホマ大学のマイケル・カスパリのサイト。
faculty-staff.ou.edu/K/Michael.E.Kaspari-1/

Myrmecos:あらゆるアリの写真を多数掲載している。
myrmecos.net/index.html

アントウェブ:世界のアリに関する情報が掲載されている。
antweb.org/world.jsp


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