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特集
取材現場から
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ローマの地下遺跡
記事の筆者と写真家が、取材現場から報告する「最高の経験」、「最悪の体験」、そして「最も風変わりな思い出」。



本誌に載らなかったオンラインだけの写真。撮影条件も紹介します。


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文=ポール・ベネット 写真=スティーブン・L・アルバレス

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永遠の都ローマの地下には、未調査の遺跡が無数に残っている。ビルの地下に埋まり、発掘が不可能な遺跡を、古代の水道を通って探検・調査した。

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 ローマの地下に眠る遺物は、計画的な調査で発見されるよりも、偶然見つかることのほうが多い。作業員が道路を掘り返しているうちに地下世界への入り口を見つけ、地下を調べる洞窟学者が呼ばれて、驚くべき新発見につながり、歴史が書き換えられるというパターンがほとんどだ。2年前の冬には、オッピオの丘で激しい雨が降り続いて自然に穴が開き、いくつもの地下室が姿を現したこともある。
 そのとき呼ばれたのが、ローマ・ソッテッラネアの創設者でもある洞窟学者、マルコ・プラチディだった。プラチディはロープを使って深さ12メートルの真っ暗な部屋に降りて調査した。地下室には、レンガを平らに積み上げた壁と巨大なアーチがあり、古代ローマの特徴を残した遺構であることが判明した。考古学者は、この地下室が造られたのは、近くにあるネロ帝のドムス・アウレア(黄金宮殿)が造営された紀元65年と、トラヤヌス帝の浴場が完成した紀元109年前後の間とみている。
 プラチディはロープを伝って地下室に降りていく途中で、心臓が飛び出しそうになるくらいの大発見をした。宙づりの状態でヘッドライトを壁に向けると、なんとそこには男たちがブドウを摘み、実を踏みしめている収穫の様子を描いたモザイク画が完全な状態のまま残っていたのだ。
 この壁画は幅3メートルほどで、鮮やかに着色した大理石の小片でできており、「ヴェンデミア」(ブドウの収穫)と名づけられた。「こんなものを見つけるとは予想もしていませんでした。素晴らしい発見です」と、プラチディは言う。
 こうした発見は、ローマの人々にとっては日常茶飯事だ。市当局が許可を出している建築申請は毎年1万3000件に達していて、1件ごとに考古学的な観点から調査が義務づけられている。ローマは郊外に向けて拡張しているが、工事の過程であまりにも多くの遺物が見つかるので、道路や下水道の建設が予定より何年も遅れる。何かが発見されるたびに計画が中断されるからだ。
 ローマ市当局はここ3年間で郊外にあるアッピア地区まで下水道の延長工事を続けている。しかし、建設工事の作業を監視する立場のダビデ・マンチーニとセルジオ・フォンターナによれば、工事はほとんど進んでいないと言う。二人は考古学専攻の大学院生で、財源不足に悩む市の文化財局から委託を受け、20カ所ほどの建設現場で遺物の出土状況を当局に報告する仕事に就いている。二人は、出土品を調査するために工事を中断させる権限をもつ。以前は考古学調査に長い時間をかけられたが、今では貴重な遺物が出土しても、彼らのような専門家が価値を査定して、なるべく早く工事を再開しなければならなくなった。
 二人が監視している、ある工事現場の一つでは、掘削機を何度も止めざるを得なくなっていた。泥だらけの穴の中に、ランプや皿と碗、小さなテラコッタの彫刻、そして無数の壺の破片が見つかったからだ。多くは紀元前3~4世紀のものだった。
 「ここには遺物が散乱しています」と、マンチーニは言う。2003年6月に始まった発掘は数カ月で終わる見通しだったが、いつ終わるのかめどは立っていない。
 掘削機は動き出した途端に、すぐに停められる。また学生が穴に飛び込み、大きな壺の破片を別の学生に渡す。破片には何かがこびりついていた。セルジオが目を輝かせながらにおいをかぎ、壺を密封するのに使った、珍しい樹脂かもしれないと説明した。だがマンチーニは、中世になって壺を再利用した際に付着した香料ではないかと反論した。破片はビニール袋に入れて、保管箱に収められた。その隣には同じような保管箱がいくつも並んでいる。

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今回の特集に関してもっと知りたい方に、参考となる情報を提供します。





特集関連の豆知識

 紀元64年にローマで大火が発生し、都市の半分以上が焼失したとき、皇帝ネロは安穏とフィドルを弾いていたといわれる。実際にはそんなことはなかっただろうが、古代ローマの歴史家スエトニウスによれば、ネロはいつもの舞台衣装を着て「Sack of Illium(トロヤの没落)」を全曲歌っていたとされる。ネロはローマの7つの丘の間に、彼にしては比較的地味な宮殿を建設していたが、その一帯が焼き尽くされてしまった。
 この大火がネロにとって大きな幸いとなった。火災の後、ネロは宮殿の設計を変更した。新たな宮殿は、中央の谷ばかりか、エスクイリヌス、カエリウス、パラティーノの3つの丘をすべて含むものだった。敷地はローマ中央部の81ヘクタールにもおよんだ。現在のローマでいうと、キルクス・マクシムス(大円形競技場)から聖マリア大聖堂周辺、コロセウムのある谷もすべて、この敷地内だったことになる。
 宮殿の建築様式は画期的なものだった。史上初めてコンクリートを駆使した、デザイン性豊かな建物で、かまぼこ型の天井や八角形の部屋、天窓が登場した。宴会用の広間だったと思われる部屋の天井は回転式で、星座の移動にあわせて動かせるようになっていた。スエトニウスによれば、「そのほかの部屋はすべて黄金で覆われ、宝石と真珠層で飾られていた。食事室の天井には象牙で雷文模様がほどこされ、羽目板をはずして花を降らせたり、パイプから香水をふりまく仕掛けがあった」という。その黄金の壁から、宮殿はドムス・アウレア(黄金宮殿)と名づけられた。そして入り口には、高さ30メートルを超える、ネロ自身の巨大な彫像が建てられた。
 何事にも極端なネロはローマ人に慕われることはなく、中でもこの新しい宮殿は人々の反感を買う最たる理由となった。68年にネロが他界した後、見捨てられた宮殿は打ち壊され、銅像の頭はその時々の皇帝のものにすげ替えられた。ハドリアヌス帝の治世になると、銅像は、かつてネロが作った人工湖を排水した跡地に建てられたフラウィウス円形闘技場に移された。この闘技場は後にコロセウムの呼び名で知られるようになるが、それは面積の広さではなく、ネロのコロスス(巨像)に由来する。

――エリザベス・スノッドグラス

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関連リンク

アクア・ウルビス・ローマエ(ローマの都市水路):紀元前753年以降のローマの給水設備を研究するサイト。現時点で完成しているのは古代ローマのページで、中世のページは制作中だ。研究の目的は、ローマの水路およびその運用が、ローマの公共生活をどのように形作ったかを探ることにある。地図と年表によって、ローマの給水設備の歴史的な変遷がわかる。
http://www.iath.virginia.edu/rome

ローマ・ソッテッラネア(地下のローマ):ローマの地下遺跡についてさらに詳しく知りたい人、地下遺跡の発掘を学びたい人、今後の開発の情報を知りたい人はこのサイトへ。右上のドロップダウンメニューにある「地下遺跡リスト」では、サン・クレメンテ聖堂やクロアカ・マキシマ(大下水溝)をはじめ、カタコンベ(地下墓地)や教会、バシリカなど、多様な遺跡に関する詳細な情報への膨大なリンクの一覧表が提供されている。
http://www.underome.com

古代ローマの地誌:1929年に発刊されたサミュエル・ポール・プラトナーの『古代ローマ地誌事典』からの抜粋。読み物としても面白く、テーマ別に整理されている。道路と橋、寺院、給水設備、水道橋、バシリカ、浴場など、さまざまなジャンル別に分類されていて、リンクも多い。
http://penelope.uchicago.edu/Thayer/E/Gazetteer/Places/Europe/Italy/Lazio/
Roma/Rome/_Texts/PLATOP*/home*.html


ザ・コロセウム:アマチュアの手によるサイトだが、古代コロセウムに関するあらゆる情報が充実し、画像データも豊富だ。
http://www.the-colosseum.net/idx-en.htm

皇帝のフォーラム(広場):古代ローマの中心部は一般にローマン・フォーラムと呼ばれるが、共和制ローマの時代からある特定の広場は実はひとつだけ。その他の広場は後の皇帝たちによって作られ、それぞれの皇帝の名がつけられている。このサイトではシーザー、トラヤヌス、ウェルパシアヌス、アウグストゥス、ネルヴァの広場を紹介し、詳細な地図で場所を確認できる。
http://www.capitolium.org/eng/fori



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