2012年5月に観測された“スーパームーン”。これと同じような感動的な光景が8月10日の夜から見られる。

Photograph by Andrew Fazekas
 8月10日の日曜、月の出を待って、空を観察してみてはどうだろう。今年最も大きくて明るい満月、いわゆる“エクストラ・スーパームーン”を堪能できるはずだ。 今年の夏はスーパームーンが3回発生し、10日の満月はその2回目にあたる。

 2014年に月が最も地球に近づく(35万6896キロ)タイミングと、満月の時期が偶然重なったおかげで、通常の16%大きく、30%明るい満月を見ることができる。

 スーパームーンという呼び名がある一方で、天文学界では「近地点の満月(perigee full moon)」という用語が使われる場合が多い。学界では、満月と近地点通過のタイミングが重なる現象は毎年起きており、さほど珍しいことではないと指摘する。

 2014年には、7月12日、8月10日、9月9日(いずれも米国時間)に満月と近地点通過のタイミングが重なり、3度スーパームーンが見られることになる。

 満月は大きな円盤形をしているが、月は楕円形の軌道を描いて地球の周りをまわっているため、およそ1カ月間の公転周期のなかで月が地球に最も近づく“近地点”と、逆に最も離れる“遠地点”に達する時期とがある。

 同様に、月の軌道の大きさもわずかながら変化するため、近地点の地球からの距離は毎月同じというわけではない。

◆どの程度の頻度で起きる現象なのか?

 今回は、月が近地点に達したわずか26分後、世界時(UT)の8月10日18時10分(日本時間の8月11日午前3時10分)に満月の瞬間を迎えるという、これ以上ないタイミングでスーパームーンが発生する。なお、この時、月はインド洋の上空にある。

 次にこのような最高のタイミングでスーパームーンが起こるのは2034年のことだ。

 このように、満月と近地点通過のタイミングがぴったり一致することによってエクストラ・スーパームーンが発生するわけだが、一方で、たとえこれまで見てきた満月との違いがわからなくても驚くにはあたらない。つまるところ、地球と月との距離はこれまでのスーパームーンと比べてせいぜい数百キロ縮まる程度であり、人の目ではっきりと認識できるようなものではないのだ。

 2011年3月のスーパームーンでは、月は地球からわずか35万6575キロと、この20年間で最も近い距離にまで近づいた。

◆外に出て月を眺める最適な時間帯は?

 とは言うものの、今回のスーパームーンを見たら、誰もが感動するに違いない。特に月が空に昇る様子は圧巻だ。

 月見や写真撮影を計画している人は、日曜の日没後、満月が登り始めるころに外に出れば、つぶさに観察することができる。

 地平線から、銀色に光る丸い月がゆっくりと昇り、やがて最高に美しい瞬間が訪れる。月が低い位置にある間は、山や木などの前景と一緒に撮影すると、最高に雰囲気のある写真になるだろう。

“ムーン・イリュージョン(月の錯視)”と呼ばれる目の錯覚によって、地平線付近では月が実際よりも大きく見える。“ポンゾ錯視”という視覚的認識効果により、人の脳は月の大きさを実際以上のものとして解釈してしまうのだ。

 撮影の際には、三脚とリモート・タイマーを使ってブレを防ぐようにするといいだろう。望遠レンズ(200ミリ以上)を使えば、満月にズームインしつつ、遠くにある前景の被写体を大きく写すことができる。

 もし今回のスーパームーンを見逃してしまった場合は、次のチャンスは9月9日となる。

Photograph by Andrew Fazekas

文=Andrew Fazekas