ハリケーン、サイクロン、台風の違い?

2013.10.17
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インド南部を襲ったサイクロン、「ファイリン」の豪雨の中、アンドラプラデシュ州の避難所に向かう少女(10月12日)。

Photograph by Adnan Abidi, Reuters
 10月12日、巨大サイクロン「ファイリン」(タイ語で“サファイア”の意)がインド東岸を直撃。10人以上が死亡し、沿岸の低地に暮らす100万人近くが避難を余儀なくされた。 インド災害管理局(National Disaster Management Authority)の副局長マリ・シャシドハル・レディ(Marri Shashidhar Reddy)氏は首都ニューデリーで取材に応え、「被災者の規模はインド史上最大になる」と述べた。「何より犠牲者を最小限に抑えなければならない」。

 1999年、同地域で1万人以上の犠牲者が出たサイクロン「オディシャ」以来、インド最大の嵐に認定。最大風速70メートルに達した後、約35メートルに収まった13日以降は、勢力を弱めながら内陸へと進んだ。

 サイクロン、タイフーン(台風)、ハリケーン。これらは、発生地域によって異なる名が付いているだけで、すべて同じ現象だ。

 大西洋と北太平洋で発生する熱帯性低気圧の嵐、ハリケーンはカリブ海の邪悪な神ハリカン(Hurrican)にちなむ。

 北西太平洋では、同じ大嵐が“台風”に変わる。“シビア・トロピカル・サイクロン”と呼ぶのは、南東インド洋と南西太平洋だ。

 北インド洋では“シビア・サイクロニック・ストーム”、南西インド洋では単に“トロピカル・サイクロン”と呼称する。

 風速約33メートル以上の嵐を、ハリケーン、タイフーン(台風)またはサイクロンに分類する。

 ハリケーンは、風速約50メートルに発達すると“インテンス・ハリケーン”に格上げとなる。

 先月、中国南部を直撃した台風19号「ウサギ」は風速約67メートルを上回り、“スーパータイフーン”ランクに引き揚げられた。

◆嵐の季節

 大西洋のハリケーンの季節は6月1日~11月30日だが、台風とサイクロンの時期は大きく異なる。

 北東太平洋の公式シーズンは、5月15日~11月30日。北西太平洋の台風は6月後半~12月に集中、北インド洋のサイクロンは4~12月に観測される。

 呼び名はどうであれ、これら巨大な嵐は大惨事をもたらしかねない強力な自然事象だ。

 米国立ハリケーンセンター(NHC)によれば、平均的なハリケーンの“目”は直径48キロで、200キロに達する場合もあるという。嵐の中心にある穏やかな部分で、気圧は最も低く、気温は最も高い。

 西半球の熱帯性低気圧は、サファ・シンプソン・ハリケーン・スケールでカテゴリー分けされ、風速70メートルを超えると最も強いカテゴリー5に分類される。

 人工衛星とコンピューターモデルのおかげで、こうした嵐は数日前から予測可能で、追跡も容易だ。しかし、ハリケーン「サンディ」が実証したように、まだ進路予測は完全ではない。

◆地球温暖化の影響は?

 近年、人間活動に起因する地球温暖化がハリケーンの強度や頻度に影響しているとの議論が盛んになっている。

 理論的には、気温が上がると海面温度も上昇し、ハリケーンの強度も高まるはずだ。

 1970年代前半から2000年代前半にかけて、カテゴリー4と5のハリケーンは2倍近くに増えている。熱帯性低気圧の持続時間と最大風速も、過去50年間で1.5倍に増加した。ただし気候変動とハリケーンの関連性について、専門家の見解は一致していない。

 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)の2012年の報告書では、「熱帯性低気圧の平均最大風速は高まっているようだが、すべての海域に当てはまるわけではない」と留保。

 また、「全世界の熱帯低気圧の発生頻度は減少しているか、基本的に変わっていない可能性が高い」とも述べられている。

Photograph by Adnan Abidi, Reuters

文=Ker Than

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