男児を襲ったアフリカニシキヘビとは?

2013.08.07
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ケニアのマサイマラ国立保護区のアフリカニシキヘビ。

Photograph by Michel Denis-Huot, Hemis/Corbis
 カナダ東部のニューブランズウィック州で5日、就寝中の男の子2人が、ペットショップから逃げ出したアフリカニシキヘビ(アフリカンロックパイソン)に絞め殺された。アフリカ最大のヘビで、世界で最も獰猛な1種として恐れられている。 太く長い胴体を持つニシキヘビには26の種がある。アメリカ、フロリダ州ゲインズビルにあるフロリダ自然史博物館の上級爬虫両生類学者ケネス・クリスコ(Kenneth Krysko)氏によれば、中でもロックパイソンの名を持つヘビは評判が悪いという。

 アフリカニシキヘビの体長は6.1メートル。個人のペットや動物園で見かけるビルマニシキヘビとそっくりだが、飼いならすのは難しいとクリスコ氏は説明する。あまりに短気なので、「卵からかえるとすぐ攻撃を始めるほどだ」と同氏は2009年のインタビューで語っている。

 さらに5日の惨劇を受けて、「なぜこのような生き物をペットにする必要があるのか理解できない。相応しくないばかりか、いずれどんな目に遭うか予想がつくはずだ。今回の一件にはショックを受けた」とコメントしている。

 カナダ政府によれば、被害者のアパートの下の階に外来種のペットショップがあり、そこから逃げ出したヘビが2人を襲ったという。

◆危険な爬虫類

 アフリカニシキヘビはサハラ砂漠以南のアフリカに生息し、小型哺乳類やアンテロープ(レイヨウ)、イボイノシシ、サギなどをエサにしている。

 まれに人を襲うケースもあり、命を奪われる事故が少なくとも2件、アフリカで確認されている。

 数年前からフロリダ州マイアミの一部に侵入しており、同州は既に外来種のヘビであふれ返っている。

 獰猛なロックパイソンを扱いきれなかったブリーダーたちが逃がしたのではないかと、クリスコ氏は考えている。

 ビルマニシキヘビと同様、アフリカニシキヘビは獲物を絞め殺す。毒を持たない代わりに獲物に巻き付き、文字通り命を絞り取る。また、フロリダ州のジャクソンビル動物園によれば、曲がった長い歯を持ち、深い傷を負わせることができるという。

 さらに、喉を通る大きさであれば、ほとんどの恒温動物を丸呑みする。緩く結合している下あごと頭骨、さらに皮膚も柔軟な構造で、ガバッと口を開ければ、大きな獲物も楽々と胃袋に収めることができるのだ。

 2人の男の子を襲った理由はわかっていない。しかし、ロサンゼルス動物園で爬虫類と両生類の責任者を務めるイアン・レッチオ(Ian Recchio)氏は、「(ヘビが)わざわざ全力で噛み付き、絞め殺すのは、たいていの場合は腹が減っているからだ」とナショナル ジオグラフィックに語っている。

 クリスコ氏は次のように言い添えている。「ここフロリダ州では、われわれは野生の動物ばかりに目を向けて、飼育した場合に何が起きるかを忘れがちだ。オリに閉じこめたとしても、周囲は人だらけ。刺激されないはずはない」。

「想像するだけでも恐ろしい」。

Photograph by Michel Denis-Huot, Hemis/Corbis

文=Christine Dell'Amore

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