オゾン層が回復傾向に、国際協定の効果

2013.04.17
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大気中のCFC濃度は減少しつつある。CFC-12(別名「フロン12」)は、冷却剤やエアゾール噴霧剤として広く使用されていたオゾン層破壊物質。

Chart by NGM Art. Source: David W. Fahey, NOAA Earth System Research Laboratory
 1987年に採択された「オゾン層を破壊する物質に関するモントリオール議定書」(モントリオール議定書)により、エアゾール缶などでのクロロフルオロカーボン(CFC)の使用は段階的に廃止に向かっている。 ヘアスプレーなどのエアゾール缶に含まれるオゾン層破壊物質、「クロロフルオロカーボン(CFC)」。この物資の悪影響を解き明かした功績を称えられ、1995年にノーベル化学賞を受賞した化学者の1人であるマリオ・モリーナ氏は、「モントリオール議定書の効果が現れはじめている。オゾン層を破壊し、地球環境の悪化を引き起こすCFCは、社会的な取り組みによって減少しはじめている」と語った。

 モントリオール議定書は、冷蔵庫の冷却剤やヘアスプレー缶などのエアゾール噴霧剤として使用されるCFCの製造、消費を段階的に廃止する国際協定として、1987年に採択された。このときに深刻視されていたのは、CFCが成層圏に達してオゾン層に穴を空けているという問題だった。

 モリーナ氏がCFCの研究をはじめ、この物質がオゾン層を破壊することを発見したのは1970年代。当時のアメリカでは、1世帯あたり平均30~40本のスプレー缶が使用されていたが、90年代後半以降には、各国でCFCの製造がほぼ完全に廃止されることとなった。現在では、オゾン層破壊物質がまったく使用されていないスプレー缶が普及している。

 では、オゾン層の破壊は止まったのだろうか。科学者によると、大気中のCFC濃度が80年代以前のレベルに戻るのは、2050年以降になる見込みだという。CFCが完全に分解されるまでには100年ほどの時間が必要なためだ。しかし、大気中の濃度は年々減少し続けている(グラフ参照)。

Chart by NGM Art. Source: David W. Fahey, NOAA Earth System Research Laboratory

文=Johnna Rizzo

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