サルから学ぶストレス解消法

2013.04.12
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温泉でくつろぐニホンザル、英名はジャパニーズ・マカク(Japanese macaque)。

Photograph by Tim Laman, National Geographic
 中年のサルの立場は、人間の中間管理職とよく似ている。最新の研究によれば、群れの階層の中位にいるマカク属のサルは、下位のサルよりストレスレベルが高い傾向にあるという。 研究では、バーバリーマカクのメス9匹を600時間近くにわたって観察。その結果、群れの中位にいる個体は、排泄物に含まれるストレスホルモンの値がより高かった。人間の中間管理職がさらされているストレスと似たような度合いらしい。

 研究を率いたリバプール大学のケイティ・エドワーズ(Katie Edwards)氏はメールで、「単純に比較はできないが、根本的な生理学は人間と類似している」と説明する。「上や下から追い詰められるという立場は同じだ」。

 ナショナル ジオグラフィックの探検家アグスティン・フエンテス(Agustin Fuentes)氏は今回の研究に参加していないが、野生動物追跡用の小型カメラ「クリッターカム」を使ってシンガポール都市部のジャングルに暮らすマカク属のサルたちを観察している。

 インディアナ州にあるノートルダム大学で人類の進化と行動について教えているフエンテス氏だが、中位にいる者は他者との相互関係を予測しにくいため、より大きなストレスにさらされると話す。サルの観察から得た結論だが、人間の中間管理職にも当てはまると考えて差し支えないだろう。

◆ストレス解消法

 マカク属のサルのストレス対処法は参考になるだろうか? いくつか紹介するので、中間管理職の皆さんもぜひ試してみてほしい。

赤ちゃんと一緒に過ごす:
 赤ん坊を世話してストレスを解消するのがよくあるパターンだ。自分の子どもかどうかに関わらず、オスもメスも年少者と一緒に過ごすことを好む。赤ん坊の毛繕いをして穏やかな気持ちになるのだ。「取り合いしないで仲間と一緒に毛繕いしてやっている」とフエンテス氏は話す。「そうしているうちに気分が落ち着く」。

毛繕い、体をかく:
「する者、される者の双方をリラックスさせるのが毛繕いだ」とフエンテス氏は話す。長い1日を終えて帰宅した人も、出迎えたイヌやネコを可愛がる。一方、ストレスを受けたサルは、自分の体を頻繁にかきむしる。同じ動きを繰り返して、気分を落ち着かせるためかもしれないとフエンテス氏は推測する。

抱きしめる:
 ストレスのたまったサルは、群れの中で交流できる相手を探す。家族と過ごす時間が多いメスは母親に抱きしめてもらう。エドワーズ氏の報告によれば、ストレスホルモンの値が高まったメスは、別のサルを抱きしめる時間が増えたという。

何かを殴る:
 マカク属のサルがエサや毛繕いのパートナー、子どもなどをめぐって本気でケンカすることはめったにない。ただし、ストレスがたまった際は相手に対し、攻撃的な行動で警告を発すると、エドワーズ氏は語る。「まず口を開けて威嚇する。無視された場合、地面をたたき、最終的には相手を追い回す」。ジムでサンドバッグに向かう会社員も、心の内は同じなのかも知れない。

 今回の研究結果は、6月1日発行の「General and Comparative Endocrinology」誌に掲載される。

Photograph by Tim Laman, National Geographic

文=Linda Poon

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