地球型惑星を“食べる”白色矮星発見

2012.05.08
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死にゆく恒星の影響で、公転軌道がずれて衝突し合う惑星(イメージイラスト)。

Illustration courtesy Mark A. Garlick, space-art.co.uk/University of Warwick
 粉々になった地球型惑星の残骸を“食べる”白色矮星が4つ発見された。研究チームは、「太陽が寿命を迎える約50億年後、太陽系の行く末を解明する手掛かりが得られる」と期待している。 太陽のような恒星は、核融合の燃料を使い果たすと膨張して赤色巨星になる。膨張した大気によって、水星や金星はもちろん、地球までも飲み込まれると考えられている。

 最終的に、太陽型恒星の大気外層は拡大を続けて星雲を形成、高密度の恒星のコア(核)は、輝く白色矮星となって中心に残る。

 研究チームは、「数千万年から数億年かかる最初の膨張で焼き尽くされなかった惑星は、恒星が質量を失うにつれて公転軌道が不安定になる」と想定する。

 軌道が変化した惑星は互いに衝突し、砕けて大量の岩石片が生み出される。やがて残骸の一部は白色矮星に接近し、落ち込んで粉々になってしまう。

◆コアに向かって

 研究チームのリーダーでイギリスにあるウォーリック大学の天体物理学者ボリス・ゲンシケ氏は、「新たに発見された白色矮星の大気が、この説の正しさを証明している」と話す。

 白色矮星の大気は通常、軽元素の水素とヘリウムだけで構成されている。重い元素は強力な重力によってコアに向かって引き寄せられるはずだからだ。したがって、大気に水素とヘリウム以外の元素が存在する場合、表面に向かって落ちてきた岩石片に由来することになる。

 ゲンシケ氏の研究チームは、この“惑星食い”の兆候を求め、NASA/ESAのハッブル宇宙望遠鏡で白色矮星80個を紫外線観測した。

 分析の結果、大気に酸素やマグネシウム、鉄、ケイ素、炭素などを含む白色矮星が4つ見つかった。かつて惑星だった岩石片を吸収した場合に想定される元素と完全に合致する。

 ゲンシケ氏は、「元素の存在比は、地球全体の比率とほぼ同じだった。つまり、地球が粉々になって白色矮星に飲み込まれた場合と一致している」と話す。

 また、「PG0843+516」という白色惑星はほかと比べて鉄の割合が多く、ニッケルや硫黄の存在も確認された。

「惑星のコアの塊を吸収したと考えれば筋が通る」と研究チームは述べる。「地球内部は純粋な鉄とニッケルでほとんど埋まっている。PG0843+516が飲み込んだ岩石片は、鉄のコアを持つほど大きな惑星に由来すると考えられる」。

◆“食べかす”の痕跡

 4つの白色矮星の周囲に現在ある岩石片は、数千年から数万年以内に全て飲み込まれると予測されている。

「しかし、それまでに別の惑星の残骸が白色矮星に向かって落下し、“食べかす”が増える可能性もある」とゲンシケ氏は話す。

 ただし、周囲に残っている岩石片の数は不明で、惑星の有無もわかっていない。

 ゲンシケ氏は、「さまざまな研究から、惑星系には多くのタイプがあると判明している」と語る。

「4つの白色矮星に公転する惑星が残っていたとしても、どのような性質なのか、いまのところ分かりようがない。数や軌道の安定性についても同様だ」。

 今回の研究成果は、「Monthly Notices of the Royal Astronomical Society」誌オンライン版に5月3日付けで掲載されている。

Illustration courtesy Mark A. Garlick, space-art.co.uk/University of Warwick

文=Rachel Kaufman

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