粘液の浮き袋、浮遊生活を送る貝

2011.10.18
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自分の粘液で作った“浮き袋”にぶらさがるヒメルリガイ(学名:Janthina exigua)のメス。海を漂う巻き貝は以前から知られていた。浮き袋は、卵の保管や子どもの飼育にも使われる。「この習性を持つ巻き貝は10種にも満たず、風変わりなライフスタイルへの進化過程は分かっていなかった」とアメリカ、ミシガン大学アナーバー校の博士課程に在籍するセリア・チャーチル氏は話す。

Photograph courtesy Denis Riek
 自分の粘液で作った“浮き袋”にぶらさがるヒメルリガイ(学名:Janthina exigua)のメス。 海を漂う巻き貝は以前から知られていた。浮き袋は、卵の保管や子どもの飼育にも使われる。

「この習性を持つ巻き貝は10種にも満たず、風変わりなライフスタイルへの進化過程は分かっていなかった」とアメリカ、ミシガン大学アナーバー校の博士課程に在籍するセリア・チャーチル氏は話す。

 チャーチル氏は、粘液に包まれた卵塊を作る海底の巻き貝から進化したと考えていた。最近縁種を特定するため、同氏のチームは浮遊生活の種と、潜在的な「兄弟種」のDNA塩基配列を決定。分子解析により系統樹を作成した。

 その結果、海底に住む巻き貝「イトカケガイ」から進化したと明らかになった。イトカケガイは現在も存在している。

 海面と海底、どちらの巻き貝も足裏から粘液を分泌する。すぐに固まる粘液は卵塊の材料になるのが普通だが、浮遊生活の種は“気泡シート”程度の固さの浮き袋を作っているとチャーチル氏は説明する。「できたばかりの浮き袋をつぶすと、プチプチした感触だ」。

 今回の研究は、「Current Biology」誌10月11日号に掲載されている。

Photograph courtesy Denis Riek
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