偶然の発見、メキシコで単眼のサメ

2011.10.13
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メキシコで確認された極めて珍しい“一つ目”のサメ。体長56センチの胎児の頭には機能する目が1つだけある。ヒトも含め複数の動物で見られる「単眼症」という先天的奇形だ。

Photograph courtesy Marcela Bejarano-Alvarez
 メキシコで確認された極めて珍しい“一つ目”のサメ。体長56センチの胎児の頭には機能する目が1つだけある。ヒトも含め複数の動物で見られる「単眼症」という先天的奇形だ。 2011年初め、カリフォルニア湾のセラルボ島付近で、漁師のエンリケ・ルセロ・レオン(Enrique Lucero Leon)氏が妊娠中のドタブカ(メジロザメ属の一種)を合法的に捕獲した。獲物を切り開くと、9頭の正常な胎児の他に、奇妙な外見のオスの胎児が見つかった。「“とんでもない生き物を見つけてしまった“と驚いたそうだ」と、メキシコのラパスにある海洋科学学際センター(CICIMAR)の生物学者フェリペ・ガルバン・マガーニャ(Felipe Galvan-Magana)氏は話す。

 ガルバン・マガーニャ氏と同僚のマルセラ・ベハラノ・アルバレス(Marcela Bejarano-Alvarez)氏は、Facebookの投稿でこのサメを知り、レオン氏から研究のために借りる許可を得た。胎児をX線で検査し、他の生物種の単眼症に関する過去の研究を調べて、同じ先天性奇形に間違いないと確認した。

 アメリカ、フロリダ州ジャクソンビルにあるノースフロリダ大学のサメ生物学者ジム・ゲルスライヒター(Jim Gelsleichter)氏は、「一つ目のサメについては過去に何度か論文が発表されており、どれも胎児だった」と述べる。出産後に捕獲された例はないので、野生では長く生きられないと考えられる。

「世の中にはまだまだ変わった生き物がいるんだね。知らないことが山ほど残っていると思うと気が引き締まるよ」。

Photograph courtesy Marcela Bejarano-Alvarez
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