古代ローマ兵士の靴60足、英国で発見

2011.10.11
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ローマ時代のものとみられる、捨てられた靴が大量に見つかった古代の砦の発掘現場。

Photograph courtesy Martin Cook
 ローマ帝国の兵士が履いていたとみられる約60足のサンダルと靴が、スコットランドのキャメロンでスーパーマーケット建設予定地から見つかった。 約2000年前のものとみられる革製の履物は、ローマ時代の宝石や硬貨、陶器、動物の骨などとともに見つかった。この発掘場所は、当時のローマ帝国領土の北端に位置している。

 今回発掘されたローマ時代の靴やサンダルなどの遺物群は、スコットランドで見つかったものとしては最大級の規模で、アントニヌスの長城沿いに設けられた紀元2世紀の砦の出入り口付近に掘られた溝の中から最近発見された。アントニヌスの長城は、スコットランドがローマ帝国の領土だったごく短い期間に、北方のカレドニア人(スコットランド人)の侵入を防ぐために東西60キロに渡って設けられた巨大な防塁だ。

 発掘物は、この砦で任務にあたっていたローマ軍の百人隊長や兵士の廃棄物がたまったものとみられると、今回の発掘を企画したイギリスの独立系請負業者、AOCアーケオロジー・グループに属する考古学者のマーティン・クック氏は述べている。

「兵士たちは砦に通じる道路沿いの溝に、靴を捨てたのだろう。その後、溝に有機物質がたまり、これによって靴が保存された」。

 廃棄物ではあるが、これらの鋲を打たれた靴は比較的良い状態にあるとクック氏は付け加えた。

◆過去10年で最大級の発見

 今回靴が見つかったスーパーマーケット建設予定地では、ほかにも紀元1世紀に建てられたローマ帝国の砦や古代の農地跡なども見つかったが、発掘活動の中心になったのは、アントニウスの長城に設けられた砦付近のエリアだった。

「発掘された遺跡から、かなり大規模な構築物があったことがわかった。石の壁を持つ正方形の砦と、3ないし4つの溝が周囲に張り巡らされていたとみられる」とクック氏は説明する。

 クック氏によれば、その他の発掘物としては、ローマ時代の斧および槍の穂先が1つずつ、3~4個のブローチ、当時の高級品だったフランス製のサモス土器の杯、標準的な様式の壺などがあったという。「これはスコットランドでも最も重要な砦の1つと言っていいだろう。過去10年にスコットランドで見つかったものでは、最大級の発掘現場となるはずだ」。

 定説では、ローマ帝国は紀元165年ごろにアントニヌスの長城を放棄し、南方のイングランドに撤退したとされている。

 今回キャメロンで発掘作業にあたったチームは、ローマ帝国の勢力がさらに長くスコットランドの地にとどまったことを示し、この説に疑問を投げかける証拠を探している。

 しかし現時点での発掘物は、ローマ帝国の軍勢が定説通りにスコットランドから撤退したことを示しているようだ。ただしその際、履物を後に残したことは間違いない。

Photograph courtesy Martin Cook

文=James Owen

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