スカンクのしま模様は悪臭の警告?

2011.06.01
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
スカンクのしま模様は、捕食動物の注意を“悪臭兵器”に引きつけるために進化した可能性がある(資料写真)。

Photograph by Joel Sartore, National Geographic
 スカンクの白黒のストライプ柄は単なるファッションではない。強烈な悪臭を放つ肛門部に捕食動物の目を引きつける役割を果たしているようだ。 新たな研究では、スカンクやアナグマ、クズリなど、200種類近くの肉食性哺乳類のデータと画像を分析。攻撃的な動物の体色は、保護色で身を守る温和な動物に比べ、色彩や模様がはっきりしている傾向が明らかになった。

 また、防御方法によっても体色に違いがあるという。「スカンクなど、長いストライプ状のパターンが尾に向かって伸びている動物の場合、肛門腺の分泌液を単に垂らすのではなく、巧みに噴射する傾向がある」と、研究を率いたマサチューセッツ大学アマースト校の生物学者テッド・スタンコウィッチ(Ted Stankowich)氏は述べる。

 スカンクは約3メートル先にまで分泌液を飛ばして外敵を撃退することが知られている。「噴射が得意な動物の中には、はっきりとしたストライプではないが、尾に向かって斑紋が筋状に入っている種もいる」。

 一方、噛み付き攻撃を得意とするアナグマの場合、白黒のストライプのパターンが口元に向かっている。「ストライプには、外敵の注意を危険な部分に引きつけておく役割があるようだ」とスタンコウィッチ氏は話す。「もし自分がアナグマだったら、武器のキバに注目を集めようとするだろう」。

 警告色は、昆虫や爬虫類、ヤドクガエルなどの両生類により広く見られる。捕食動物に警告を発して身を守るこの方法は、噴射をなるべく抑えたいスカンクには特に役立つ。「噴射は“コスト”が高いんだ。一度使うと再充填されるまで時間がかかる。だから、警告色を利用して、まずは自分が危険な存在だとアピールする」とスタンコウィッチ氏は説明する。

 同氏によれば、ストライプのパターンは進化の過程で獲得した生存戦略である。その有効性は、異なる分布域で別々に進化を繰り返したスカンクとその近縁種が、同じ警告色を獲得していることからもわかるという。

 例えば、スカンクのような悪臭を放つイタチ科のゾリラはアフリカに生息するが、アメリカ大陸に分布するスカンクとは別の系統にあたる。しかし体毛はスカンクと同じ白黒のストライプ模様で、こちらも捕食動物に対する抑止力になっているとスタンコウィッチ氏らは結論付けた。

「スカンク同様、肉食性哺乳類の大半は肛門腺の分泌液を使用している。だが、少量をマーキングのために使うことがほとんどだ」と同氏は補足する。なお、人間や霊長類には肛門腺はない。「敵に向けるようになったのは、“これは使えるぞ、マーキングだけじゃもったいない”とひらめいたのかもしれないね」。

 この研究の詳細は、「Evolution」誌オンライン版に5月25日付けで掲載されている。

Photograph by Joel Sartore, National Geographic

文=Rachel Kaufman

  • このエントリーをはてなブックマークに追加