泥に飲まれた村、インドネシア泥火山

2011.03.07
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泥に飲み込まれたインドネシア、東ジャワ州シドアルジョ県の村(2008年撮影)。泥火山(泥水噴出孔)「ルーシー」が噴出を続けている。

Photograph by John Stanmeyer, National Geographic
 泥に飲み込まれたインドネシア、東ジャワ州シドアルジョ県の村(2008年撮影)。泥火山(泥水噴出孔)「ルーシー」が噴出を続けている。 ガス井の試掘中、2006年5月のジャワ島中部地震後に急に活動を始め、高温の泥とガスを噴き出すようになった。世界最大かつ最速で成長を続け、今後26年間は止まらないと見積もられている。イギリスにあるダラム大学の研究チームは、「最終的に競技用の50メートルプール(250万リットル)換算で5万6000杯分に達する可能性がある」と話す。

 地下のシルトやそれより細かい粘土の層が、地殻変動や炭化水素ガスの蓄積によって圧力を受けると、地表や海底に泥火山が形成される。

 ルーシーの今後の泥流量を計算するため、研究チームはそばにある坑井で水圧データを計測し、これまでに判明している2006年以降の岩石物性や泥流量の情報と組み合わせた。

 研究チームのリーダー、リチャード・デービス氏は、「今回の計算により、災害の最終的な被害規模を正確に判断することや、火山の泥の影響を受ける期間を東ジャワ州の人々に伝えることが可能になる」と説明する。

 ルーシーが再び目を覚ましてからおよそ5年がたち、数々の村が泥の下に消え去った。3年前の「ナショナル ジオグラフィック」誌2008年1月号で既に、泥の深さが場所によっては18メートルに達したことが伝えられている。ダラム大学の調査によると、死者は13人に上り、少なくとも1万世帯が移住を余儀なくされているという。

 今回の研究成果は、「Journal of the Geological Society」誌2011年3月号に掲載されている。

Photograph by John Stanmeyer, National Geographic
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