新種の古代生物“歩くサボテン”を発見

2011.02.24
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
化石種“歩くサボテン”の想像図。

Illustration by Jianni Liu
 無数のトゲが生えた奇妙な古代生物の化石が中国の地層から見つかった。“歩くサボテン”のような姿から学名「Diania cactiformis」と命名されたこの新種は、体長約6センチのミミズのような体で、堅い殻に覆われた10対の脚には関節を備えていたようだ。生物が急速に進化した約5億年前の「カンブリア大爆発」時代に生息していたと推測される。

 西安にある西北大学の地球科学者で、研究チームのリーダーを務めるリュー・チエンニー(Liu Jianni)氏が2006年、中国南西部雲南省の発掘調査で発見した。雲南省は、約5億2000万年前の古生代カンブリア紀に栄えた澄江生物群の化石で知られている。

「本当に驚いた。軟らかい体に極めて屈強な脚。この奇妙な生き物は何だってね」と同氏は発見当時の心境を語る。「研究所に戻り顕微鏡で詳しく調べてみたら、大発見だと直感した」。

 この新種はカンブリア紀の海で繁栄した化石生物「葉足動物」の仲間であると考えられている。しかし、ほかの葉足動物とは姿が似ておらず、頑丈な脚はクモ類や甲殻類など節に分かれた脚を持つ現生の節足動物に近い。この独特の脚は現生の節足動物が葉足動物から進化したことを示唆するという。

 新種の化石は30点ほど見つかっており、エサを食べる方法についてもいくつか仮説が立てられている。「長い口で海底の泥の中にいる小さな生物を吸い込んでいた」、「トゲの付いた脚を使って大きな獲物を捕らえていた」などだが、確証は得られていない。

“歩くサボテン”の研究成果は、「Nature」誌2月24日号に掲載されている。

Illustration by Jianni Liu

文=Christine Dell'Amore

  • このエントリーをはてなブックマークに追加