雌雄モザイクのニワトリの謎を解明

2010.03.17
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鏡の前に立つ珍しい雌雄モザイクのニワトリ。オス(左の鏡)とメス(右)の両方の特徴を備える。

Photograph courtesy the Roslin Institute at the University of Edinburgh
 体の半分がオス、もう半分がメスのニワトリの謎が、長い時を経てついに解明された。オスとメスが混合した体を持つ“雌雄モザイク”と呼ばれるニワトリは、オスの細胞とメスの細胞を併せ持っていることがわかった。 雌雄モザイクのニワトリはおよそ1万分の1の確率でしか生まれず、体の半分にはとさかや蹴爪(けづめ)などオスの特徴を、もう半分には優美なメスの特徴を示す。

 これまでは、ごくまれに起きる遺伝子異常が雌雄モザイクの原因と考えられてきた。イギリスにあるエディンバラ大学のマイケル・クリントン氏の研究チームはこの説を検証するために雌雄モザイクのニワトリ3羽の細胞を分析したところ、驚いたことに細胞は正常だった。正常でなかったのは体の半分はオスの細胞、あとの半分はメスの細胞でできていたことだ。

 研究チームは、オスの遺伝子を持つ精子とメスの遺伝子を持つ精子の2つが卵子と同時に受精し、1つの卵の中にオスとメスの2つの胚が形成され、それが融合することで雌雄モザイクのニワトリが生まれると考えている。

 ただし、オスとメス両方の特徴を備えていても、生殖器は睾丸か卵巣のどちらかしかないのが普通である。雌雄モザイクのニワトリが実際に生殖可能かどうかの実験は行われていない。

 クリントン氏は電子メールでの取材に対し、キンカチョウ、ハト、オウムなど他の鳥類にも雌雄モザイクが確認されていると答えている。この現象はどの鳥類でも起きている可能性が高いが、鳥類はオスとメスの姿が似ていることが多いため、見た目では必ずしも判断できないという。

 この研究は2010年3月11日発行の「Nature」誌に掲載されている。

Photograph courtesy the Roslin Institute at the University of Edinburgh

文=Ker Than

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