• ビジネス
  • IT
  • テクノロジー
  • 医療
  • 建設・不動産
  • TRENDY
  • WOMAN
  • ショッピング
  • 転職
  • ナショジオ
  • 日経電子版
  • 日経BP

科学に対する懐疑主義が勢いを増し、賛否が二極化する風潮にある。教養のある人たちでさえ、科学的証拠に裏づけされた理論を疑うのはなぜだろうか?

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

科学を疑う

科学に対する懐疑主義が勢いを増し、賛否が二極化する風潮にある。教養のある人たちでさえ、科学的証拠に裏づけされた理論を疑うのはなぜだろうか?

文=ジョエル・アッケンバーク/写真=リチャード・バーンズ

 エボラウイルスが空気感染するウイルスへと変異する危険性は、ほとんどないといわれている。だがインターネットで「空気感染するエボラ」という言葉を検索すると、まるでこのウイルスが人類を根絶やしにするほどの超自然的な力をもっているかのような情報が続々と出てくる。

人はなぜ「間違ったことを信じる」のか

 この混乱に満ちた世界で、私たちは何を信じ、どう行動するかを決めていかなくてはならない。そして科学は、そのためにある。ただし、科学的な手法が導き出す真実は、しばしばショッキングで、時として納得しがたい。そのために私たちは繰り返し、「間違ったことを信じる」という過ちを犯してきたのだ。

 たとえば気候変動は、米国ではいつの間にか、人々を敵対する二つの陣営に分かつリトマス試験紙のようになっている。私たちが気候変動について話すとき、実際には自分がどちらの陣営に属するかを論じているのかもしれない。なにしろ、地球が温暖化していると認めたからといって世界がすぐに良くなるわけではないし、もし認めれば自分の属する“ムラ”からはじき出されてしまうかもしれないのだ。

 科学は理性に訴えかけるが、私たちが何を信じるかは主に感情に左右される。とりわけ強いのは、仲間内にとどまりたいという思いだ。米サイエンス誌の編集長で地球物理学者のマーシャ・マクナットはこう語る。
「人は集団に属する必要があります。その思いが強いために、集団の価値観や意見は常に科学を打ち負かすのです。これからも科学は負け続けるでしょう。科学を無視しても明確なデメリットがない場合にはなおさらです」

 インターネットの普及で、温暖化を疑う人たちは、自分と同じ主張をもつ専門家や情報を容易に見つけられるようになった。一握りの有力な団体や出版物(一流大学、百科事典、主要なメディアなど)が科学情報の門番だった時代は、もはや過去のものだ。インターネットが情報の民主化をもたらしたのは良いことかもしれない。だがケーブルテレビやインターネットを使えば、自分が好む、都合のいい情報だけをフィルターを通して提供してくれる「フィルターバブル」という世界を作り出すこともできる。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2015年3月号でどうぞ。

編集者から

 地球温暖化の主因が人間の活動だと信じる米国人は全体の40%。つまり、米国人の半数以上は温暖化を信じていないそうです。これはかなり衝撃的な数字でしたが、米サイエンス誌編集長マーシャ・マクナットのこの言葉を読んで、ふに落ちた気がしました。「人は集団に属する必要があります。その思いがあまりにも強いために、集団の価値観や意見は常に科学を打ち負かすのです」
 クリストファー・ノーラン監督のSF映画『インターステラ―』をご覧になった方は(もちろん、まだという方も!)、この特集をぜひご一読ください。NASAやアポロの月面着陸に関する設定の謎が解けるはずです。(編集M.N)

この号の目次へ

ナショジオクイズ

IT産業が盛り上がるアフリカ。中でもケニアは何と呼ばれている?

  • シリコンサバンナ
  • シリコンサファリ
  • シリコンサハラ

答えを見る

ナショジオとつながる

週2回
配信

メールマガジン無料登録

メルマガ登録の詳細はこちら

ナショナル ジオグラフィック バックナンバー

ナショナルジオグラフィック日本版サイト

広告をスキップ