第117話 オリバー爺さんの森からの授業

 うっ、

 なんだか締め付けられるような痛みが頭全体に走って、目が覚めた。

 こめかみの辺りがキーンとする。

 寝ている間に、頭が寝袋からはみ出してしまって、キンキンに冷え切っていたのだ。

 頭髪に触れてみると、それは生き物の毛と思えないほどの冷たさで、まるで冷凍保存された遺体の頭部のようだった。

 よくまあ、生きていたものだ……。

 体は寝袋に包まっていたものの、手足の先端もまた、血があまり通っていないような感覚がして、急いで手足をこすり合わせた。

 寝袋の中と言っても、温かい部分など全くない。

 寝袋の内側の生地も服も、ヒンヤリとしている。

 体を起こしてみると、外側の繊維には、霜が付着していて真っ白になっていた。

「私たち、生きているわね……」

 遠くから聞こえてきた声に振り返ると、トーニャが焚き火の前で木の枝で火を突いているようだった。

「うん、生きてたね……」

 私はしみじみそう言うと、すぐさまキーンキンに冷えた頭を寝袋の中にうずめた。

 それでも一度目が覚めてしまうと、体がどんどんと寒さを認識していくようで、じっとしているほうが寒さを感じてしまう。

 こういう場合は、起きてしまって体を動かし、なにか温かいものでも飲むか食べるかしたほうがいい。

 私は躊躇なく、勢いよく寝袋から這い出ると、トーニャの隣に座った。