アオウミガメ

Chelonia mydas
イソギンチャクの間を泳ぐアオウミガメ
Photograph by Tim Laman
(写真クリックで拡大)
早わかり

分類: 爬虫類
保護状態: 絶滅危惧
食性: 草食
寿命: 野生: 80 年
体長: 最大 1.5 メートル
体重: 最大 320 キログラム
ウミガメ科のほかの種類と同様に、アオウミガメも首を甲羅の中に収めることができない。

成人男性(180cm)との比較

分布

プロフィール

 アオウミガメは、幅広で平坦な甲羅を持つ重量のある大型のウミガメである。世界各地の熱帯や亜熱帯の沿岸地域に生息し、陸に上がって甲羅干しをすることでも知られている。アオウミガメの英語名「Green Sea Turtle」は、甲羅の色ではなく、その緑がかった体色に由来している。現在までに2種類のアオウミガメが発見されており、この2種を亜種と独立種のどちらとして扱うかを巡って議論が展開されている。その1種は、通常、ヨーロッパから北米の沿岸部に生息するアオウミガメ(大西洋アオウミガメ)で、もう1種がアラスカからチリの沿岸部に生息するクロウミガメ(東太平洋アオウミガメ)である。

 体重が最高320キロにもなるアオウミガメは、ウミガメ科の中では世界最大種の1つだ。小さな頭部を甲羅の中に収めることはできないが、ハート型の甲羅から最長で1.5メートルまで伸ばすことができる。オスはメスよりも体がわずかに大きく、長い尾を持っている。オスもメスもカヌーのパドルに似た足ヒレがついており、これを利用することで、力強く優雅な泳ぎを披露する。ウミガメの多くは浅瀬の海面付近を泳ぐことで体を暖めるが、クロウミガメは陸に上がって甲羅干しをする。時にはアザラシやアホウドリの横で甲羅干しをする姿も確認されている。産卵時以外に陸に上がるウミガメは少ないと言われている。

 ウミガメの多くは肉食だが、アオウミガメの成体は草食で海草や藻を主食とする。しかし、子ガメは、カニやクラゲ、海綿などの無脊椎生物も捕食する。

 ウミガメ科の他種と同様に、アオウミガメは捕食地から繁殖地(通常は砂浜)へ向かうために、驚くほど長い距離を移動する。アオウミガメは2~4年に1回、海岸近くの浅瀬で繁殖する。産卵が近付くと、メスは生息する海を離れ、産卵場所を選ぶ。通常は、自分が生まれた浜辺に戻る。足ヒレで砂浜に穴を掘ると、その中に100~200個の卵を産み落とし、砂で覆う。メスは卵を残して海へ戻り、卵は約2カ月で孵化する。アオウミガメにとって一生で最も危険なのは、孵化直後に産卵巣から海に向かうときである。子ガメがこの短い距離を移動する間に、カニやカモメの群れをはじめとする貪欲な捕食者のエサ食になることが多いのだ。

 アオウミガメは絶滅危惧種に指定されており、地中海沿岸に生息する亜種は近絶滅種に指定されている。にもかかわらず、アオウミガメの肉や卵を目的とした乱獲が絶えることがない。さらに、船のスクリューに巻き込まれたり魚網にかかったり、人間によって産卵地域が荒らされたりするため、個体数は減少している。

動物大図鑑トップへ