ワタリガラス

Corvus corax (Northern Raven)
オスのワタリガラスが、春の暖かい日差しの中で羽繕いをしている。
Photograph by Michael S. Quinton
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早わかり

分類: 鳥類
保護状態: なし
食性: 雑食
寿命: 野生: 13 年
体長: 61 ~ 66 センチ; 翼長 1.2 ~ 1.4 メートル
体重: 1.3 キログラム
ワタリガラスがロンドン塔からいなくなると、塔は敵の手に落ちて王国が滅びるという伝説があった。

ティーカップとの比較

分布

プロフィール

 ワタリガラスは美しい鳥だ。光沢のある黒い羽を持ち、賢くタカやハヤブサにも負けない飛行の名人である。ワタリガラスが見事に空中を飛びまわるさまは繁殖期に見られる。熱心な求愛の儀式として、空中で追いかけっこや急降下をしたり、旋回するなど、入念なダンスがくり広げられるのだ。

  ワタリガラスはアメリカ先住民にあがめられ、その遊び好きの性格から“悪賢いいたずら屋”と表現されてきた。通常、カーカーという声で感情を表現するが、バラエティーに富んだ鳴き声を自慢げに披露する。

  ワタリガラスは有能なハンターで、協力して狩りをする。1羽の鳥を捕るには多すぎるほどの数でチームを組み、獲物を追いつめて遊ぶこともある。また、齧歯(げっし)類、穀物、幼虫、昆虫だけでなく、ほかの鳥、例えば海鳥の卵やヒナも獲物にする。死肉や人間の出すゴミを食べることもある。

  冬は群れを作り、日中はエサを探して夜はねぐらに帰る。ほかの季節は、つがいや小さな集団で行動している。1組のつがいが生涯を共にすると考えられており、木の枝で大きな巣を作って、毎春3個から7個の卵を産む。ヒナが巣立つまでの数カ月間、親鳥は2羽そろって世話をする。

  北米に生息するスズメ目の中で最大のものがワタリガラスだ。かつては狩猟鳥や家畜へ害を与えると考えられ、駆除された。しかし今日では個体数が増えつつあり、氷に覆われた北極から地中海沿岸地域まで北半球を渡る姿や、都市部で暮らす姿が見られるようになっている。

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