マレーグマ

Helarctos malayanus
マレーグマ
Photograph by Anup Shah/Animals Animals-Earth Scenes
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早わかり

分類: 哺乳類
保護状態: なし
食性: 雑食
寿命: 飼育下: ~ 25 年
体長: 1.2 ~ 1.5 メートル
体重: 27 ~ 70 キログラム

成人男性(180cm)との比較

分布

プロフィール

 クマ科の中で最も小さいマレーグマは、東南アジアの低木森林の中で単独生活を営んでいる。中国南部からインド東部、南はインドネシアにも生息し、胸部にある金色か白の大型の斑点から、英語では「sun bear(太陽のクマ)」と呼ばれる。伝説によればその斑点は昇る太陽を表わすと言う。ずんぐりした筋肉質な体を持ち、小さな耳および短い吻(ふん)が特徴的だ。小柄なため「dog bear」と呼ばれることもある。毛皮はつややかで黒く、熱帯地方の暑さを避けるために短いが、同時に大小の木の枝や雨から体を守るために、分厚くゴワゴワしている。

  体の大きさは、アメリカグマの半分程度にしか成長しない。メスよりわずかに大きいオスでも体長は約1.5メートルで、体重は70キロほどである。このサイズであれば木の上で生活するのに都合がよく、木々の間の移動も容易に行うことができる。実際、木の高いところで枝や葉を使って寝床を作るマレーグマが観察されている。

  マレーグマは夜行性で、夜間に森林をのそのそと歩き回り、果物や野いちご、植物の根、昆虫、小鳥、トカゲ、齧歯(げっし)動物などをエサにする。鋭い嗅覚と、10センチにもなる長いツメを持っており、そのツメで木を切り裂いたり、シロアリの巣を狙ったりする。また、長い舌を使ってハチの巣から蜜をなめとることもある。

  彼らがどのような社会生活を送っているか明らかでない面も多いが、一夫一妻制であることを示す証拠もある。母親は地上に巣を作り、1~2匹の子どもを産む。子どもは体重300グラムほどで目も見えない無力な状態で生まれ、母親がうしろ足で立って腕の中に子どもを抱いてあやす姿が観察されている。これはクマには珍しい特性である。子どもは生まれて約2カ月たつと自分で歩くことができるようになり、4カ月までに乳離れするが、2年以上の間母親とともに過ごす。

  生息地が奥深い森の中にあり、性格も臆病なため、絶滅の危機にあるかどうかを判断するための十分なデータはない。しかし専門家は最悪の事態を予測している。 森林開発により生息地が急速に破壊されて失われている上、体の一部や毛皮を目的とした容赦ない密猟が後を絶たないからだ。また、ヤシ油用のヤシやココナツ、バナナのような作物を食べるので、農民は敷地内に侵入するマレーグマを殺してしまう。さらに、母親のメスは、ペットとして利用しようと彼らの子どもを狙うハンターにより犠牲になることも多い。

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