アカキノボリカンガルー

Dendrolagus matschiei
アカキノボリカンガルー
Photographed at Lincoln Children's Zoo in Nebraska
Photograph by Joel Sartore, National Geographic Photo Ark
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早わかり

分類: 哺乳類
IUCNのレッドリストによる
危機の評価:
絶滅危惧種
食性: 草食
寿命: 野性:不明、飼育:最大20年
体長: 90~180センチメートル
体重: 7~10キログラム
アカキノボリカンガルーは、樹上からジャンプして18メートル先の地面に安全に着地することができる。

成人男性(180cm)との比較

プロフィール

 キノボリカンガルーの仲間は10種以上が確認されていて、オーストラリアやニューギニア島の熱帯雨林に生息している。

 アカキノボリカンガルー(学名: Dendrolagus matschiei)はパプアニューギニア北東岸のフオン半島だけに生息する固有種であり、国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストでは絶滅危惧種に分類されている。

 生息域は標高3350メートルまでの山間部に位置する雲霧林だ。主に樹上で生活し、木の葉を主食とするが、花や草の芽、シダ、コケ、樹皮なども食べる。

 メスは約44日の妊娠期間を経て1匹の子を出産する。有袋類の子どもはオーストラリアでは「ジョーイ」という愛称で呼ばれ、胎児に近い未熟な状態で生まれた後、すぐに母親の袋の中にある乳首まで這って移動する。そして授乳期間のうちに成体に近い状態まで成長を遂げる。

 キノボリカンガルーの子どもは約10カ月間、母親の袋の中で過ごすが、その間母親は袋の掃除と子どものグルーミングを欠かさない。生後8カ月目に初めて袋から出た後も、授乳の際には袋に戻って乳を飲む。この「出たり入ったり」の期間は1~2カ月続くという。その後に続く授乳期間の最終段階では、子どもは乳を飲みはするが、体ごとすっぽり袋に入ることはない。

 子どもは生後およそ13カ月目で乳離れする。乳離れ後も生後18カ月ぐらいまでは母親と一緒に過ごすが、その後は親離れし、独自の行動圏を確立していく。

 野生のキノボリカンガルーの社会的行動についてはほとんど知られていない。研究者の間では、アカキノボリカンガルーは単独行動をする動物と考えられている。メス同士、オス同士の行動圏が重なることはないが、オスの行動圏はメス数頭の行動圏と重なっていることが多い。アカキノボリカンガルーは一夫多妻制であり、オスは複数のメスと繁殖を行うと考えられている。しかしハーレムが作られることはなく、メスは独立した生活を維持するようだ。母子の間以外で強固な社会的結合を築くことはない。

 飼育下のメスが妊娠した場合、どの動物とも一切接触することのない環境で過ごすことができれば、子どもはかなりの確率で生き延びることが確認されている。このような観察結果から、アカキノボリカンガルーは基本的には単独行動の習性を持つと考えられている。

Text courtesy Woodland Park Zoo

アカキノボリカンガルー
Photograph courtesy Russell A. Mittermeier / Conservation International
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