ヘビ対ワニ、どのように飲み込むのか

2014.03.04
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オーストラリアワニを締め付けるオリーブニシキヘビ。オーストラリア、クイーンズランド州から携帯電話で撮影。(PHOTOGRAPH BY TIFFANY CORLIS, ABC NORTHWEST VIA EPA)

 オーストラリア、クイーンズランド州北部で体長約3メートルのオリーブニシキヘビがオーストラリアワニに勝利した。幸運にもこの壮絶な戦いを目撃した人が経過を写真に収めていた。

 ニシキヘビとワニの関係についてアメリカ、サウスダコタ州ラピッドシティにあるレプタイル・ガーデンズ(Reptile Gardens)の爬虫類責任者テリー・フィリップ(Terry Phillip)氏に話を聞いた。

◆これらの写真を見る限り、2匹の恐ろしい動物が戦いを繰り広げた末、勝利したヘビが食事の内容を後悔しているようですね。これはめったにない瞬間をたまたま撮影できただけなのでしょうか。それとも、野生ではよくある光景ですか?

 まず、この2匹は決して巨大な個体ではありません。ヘビはおそらく7~9キロ、ワニは2~3キロ、体長1メートルほどでしょう。そして、オーストラリアのこの地域にもともと生息するこれらの種にとってはごくありふれた出来事です。とても大きな餌を食べているように見えますが、このタイプのヘビにとっては普通です。オリーブニシキヘビは体の大きさに対して並外れた力を持ち、大きな餌を食べることで知られています。

◆こうした場面ではヘビはどのような危険に直面していますか?

 歯です。ワニの歯はかみそりのようにヘビを切り裂くことができます。ワニに頭を振る隙を与えれば、大きなダメージを負うことになるでしょう。しかし、おそらくワニにチャンスはありません。ヘビが首や肩の周辺に襲い掛かるのは、かみつかれることを避けるためでもあるのです。ワニが身動きできないよう頭の真後ろから巻き付きます。たとえかみつかれても、驚異的な免疫機構のおかげで、さまざまな感染症を撃退してしまいます。大きな傷跡を持つ野性のヘビを目にすることがあります。獲物に逆襲されたのでしょう。

◆こうした場面では必ずヘビが勝利するのですか?

 必ずしもそうではありません。両者とも頂点捕食者であり、オーストラリアワニが小さなニシキヘビを食べることも、その逆もあります。

◆獲物を絞め殺すニシキヘビのような動物は力を緩めて食べても“安全”なタイミングをどのように計っているのですか?

 ヘビは獲物の心臓の鼓動にとても敏感です。通常は獲物が窒息し、心臓が止まるまで絞め続けます。しかし、ワニは酸素なしで長時間耐えることができます。このケースでは、胸腔を圧迫し、ワニの心臓が鼓動する空間を奪ったのだと推測できます。おそらくワニは窒息したのではなく心停止によって命を落としたのでしょう。

◆ニシキヘビが食べたとされる最も大きな獲物は何ですか?

 オリーブニシキヘビの近縁種アメジストニシキヘビがワラビーを食べた例があります。体重は約110%で、かなり大きな食事です。ただし、ヘビはいつも75~100%の大きさの餌を食べています。

◆アメリカ、フロリダ州でワニを食べたビルマニシキヘビの体が破裂したケースがありますね。餌の大きさを誤ったのでしょうか?

 食べ始めてから大き過ぎると気付き、あきらめるケースは確かにあります。しかし、よくあることではありません。フロリダ州のケースでは、ヘビはワニを殺して食べ、すべて飲み込みました。ヘビが勝利したのです。ところが、フロリダ州はあの種のヘビにとって自然な環境ではありません。東南アジアの生息地ほど温度が高くないのです。そのため、ヘビは食べたものが腐る前に消化を終えることができませんでした。餌が体内で腐り始 め、ヘビは命を落としたのです。ヘビの体が破裂したのはそのためであり、決してワニが大き過ぎたためではありません。

文=Jennifer S. Holland

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