第5回 岩石を透かして見るとこんなに美しい

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 今から35年ほど前の話になります。高校生だった私は地学の授業で偏光顕微鏡なるものを使って岩石を見ていました。

 今の指導要領では物理・化学・地学・生物のうち3科目を選択することになっているらしく、地学はあまり選ばれずにすっかり日陰者のようですが、その頃は有無を言わせず4教科を習うのが普通でしたので、地学ももちろん1年間きちんと授業がありました。私の受け持ちの先生は地学の中でも岩石の専門家だったようで、私たちに薄く削った岩石(岩石薄片プレパラート)を顕微鏡で見せてくれたのです。その頃はよくわからず、ただ眺めていたのですが、ステージをくるくる回すときれいな色が出るその不思議な像は、今でもよく覚えています。

 やがて社会人になり、理科実験講師という当時はたいへんレアな仕事(今でも珍しいですかね)をするようになったとき、あのきれいな岩石薄片プレパラートを子どもたちに見せてやりたい、という思いにかられ、なんとかならないかと、偏光顕微鏡や岩石薄片プレパラートを調べ始めました。しかし偏光顕微鏡は安いものでもウン万円、岩石薄片プレパラートも1枚数千円もすることがわかり、その時はあきらめておりました。

岩石薄片プレパラートを自分で作る

 それから数年後、地学の資料を漁っていると、岩石薄片プレパラートを自作する方法が書いてある本が見つかりました。そのころ私が知っていた作り方は岩石研磨機を使うものでした。光を通すくらいまで岩を薄く削らなければならないので、特別な機械を使うのです。

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 ところが、その本に載っていたのは、ガラスに岩石を張り付けて紙やすりで削るという方法。確かに子どもたちにもできそうですが、ちょっとあやしく(著者の方ごめんなさい)、にわかに信じがたいものでした。でも、可能性があればやってみるのが信条ですので、材料をそろえて、まずは実験に着手したのでした。