遊び好きかと思えば、物思いにふける。愛されているが、絶滅の危機にある。バーバリーマカクはいくつもの“顔”をもつサルだ。

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雪降る山に生きる モロッコのサル

遊び好きかと思えば、物思いにふける。愛されているが、絶滅の危機にある。バーバリーマカクはいくつもの“顔”をもつサルだ。

文=レイチェル・ハーティガン・シェイ/写真=フランシスコ・ミンゴランス

 バーバリーマカクは、いくつもの“顔”をもつサルだ。遊び好きかと思えば、物思いにふけったりもする。気性が激しい反面、臆病なところもある。人々から愛されているが、絶滅の危機にもさらされている。

 霊長類のなかでサハラ砂漠以北のアフリカ大陸にすんでいるのは、人間を除けばバーバリーマカクだけだ。彼らは環境の変化を生き抜き、アジア大陸以外に生息し続けている唯一のマカク属でもある。
 だが、このサルが注目を集めるのは、分布域が珍しいからというだけではない。

古代エジプトやローマでも愛されたサル

 この地を旅した人々は、赤褐色の厚い毛皮と利口そうな目をもつ、尻尾がほとんどないこのサルに魅入られてきた。人間に捕獲されたマカク属のサルの骨は、ポンペイの灰の中や古代エジプトの地下墓地からも見つかっている。

 近年、バーバリーマカクの分布域は狭まり、ジブラルタルにいる半野生の集団を除けば、モロッコとアルジェリアの一部の森に生息するだけとなってしまった。彼らは現在も密猟者に狙われている。毎年300頭ほどの子ザルがモロッコ国外に違法に連れ去られ、わずか6000頭ほどを残すのみとなっている。

 写真家のフランシスコ・ミンゴランスは、中央アトラス山脈の高地で、1年以上かけてこのサルの群れを撮影した。
「愛情をこめて子ザルと接する姿は、ほとんど人間と変わりませんよ」と彼は言う。「死んだ我が子を4日間も腕に抱いていた母ザルもいました。いたたまれない気持ちになりました」

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2014年11月号でどうぞ。

編集者から

 姿かたちといい、雪山で暮らす習性といい、親子の情愛といい、ニホンザルにそっくりだなあと思っていたら、それもそのはず、ニホンザルとバーバリーマカクは、同じオナガザル科マカク属に分類されるサルなのです。ユーラシアの東端からアフリカの西端まで、広い生息域をもつマカク属ですが、多くの野生動物の例に漏れず苦難を強いられています。
 特集で取り上げたバーバリーマカクに関していえば、環境の変化や人間による捕獲によって、種の存続が危ぶまれるレベルまで頭数が減ってしまったといいます。西洋では古くから愛されており、日本人も親近感を感じてしまう人気者ですが、それでも生きていくのは楽ではありません。その貴重なポートレートは必見です。(編集N.O)

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