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チェルノブイリ原子力発電所の事故から28年。人が住まなくなり、朽ち果てた立入禁止区域が今、観光客に公開されている。

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原発事故の現場を訪ねる チェルノブイリ見学ツアー

チェルノブイリ原子力発電所の事故から28年。人が住まなくなり、朽ち果てた立入禁止区域が今、観光客に公開されている。

文=ジョージ・ジョンソン/写真=ゲアード・ルドウィッグ

 1986年4月26日、世界最悪の事故を起こしたチェルノブイリ原子力発電所。2011年、その周辺地域を訪ねる見学ツアーが公に始まった。よりによって福島の原発事故が起きたこの時期に重なってしまったが、私はこのツアーに興味をもち、申し込んだ。約5万人の住民が去っていったプリピャチの街や周辺の集落の現状を見てみたいと思ったのだ。

 人の心の奥底には、惨劇が起きた場所を見てみたいという欲求が潜んでいる。火山の噴火にのまれたポンペイ、南北戦争の激戦地アンティータム、強制収容所のアウシュビッツ。いずれも今は不気味な静寂に包まれている。そして21世紀に入った今、私たち人間は原発事故の爪跡に恐れを抱きながらも引きつけられている。

 ツアーに参加した人々の動機はさまざまだ。私が最も興味をそそられたのは、モスクワから参加したアナという若い女性だった。チェルノブイリを訪れるのは3度目で、年内に予定された5日間のツアーにもすでに申し込んだという。「放置され、朽ち果てていく場所に魅力を感じるんです」とアナは言う。

無人の立入禁止区域は動植物の楽園

 バスの車中では、ガイドが2日間のツアー中の注意事項をもう一度繰り返した。高濃度の放射性物質を含むキノコ類には触らないこと。戸外で物を食べたりタバコを吸ったりして、放射線を発する物質を体内に取り込まないこと。

 ウクライナ共和国の首都キエフから100キロほど離れたチェルノブイリ原発周辺の立入禁止区域には、外界から遮断された大自然が広がっていた。事故から28年の間に、ほとんど人の住まなくなった一帯には、バイソンやイノシシ、ヘラジカ、オオカミ、ビーバー、ハヤブサなどの野生動物がすみついている。ゴーストタウンと化したプリピャチでは、人の住まなくなったソ連時代の集合住宅の屋上にタカが巣を作っていた。

※この続きは、ナショナル ジオグラフィック2014年10月号でどうぞ。

編集者から

「チェルノブイリ見学ツアー」をネットで検索すると、案内するWebページがいくつかヒットします。旅行会社によって期間や料金に幅があるようですが、あるツアーでは約10万円でチェルノブイリのほか、周辺の町や村を回ります。1日のツアーとしては破格の料金ですが、内容を考えれば行きたい人にとっては出せない金額ではないでしょう。福島を身近にもつ私たちからすると複雑な思いもかき立てられますが、この地域が人類史に残る、巨大なモニュメントとして記憶されていくことは間違いありません。今、悲劇の現場がどうなっているのか。誌面を通じて少しでも感じていただければと思います。(編集N.O)

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