チキンのどこが好き? 各部位の意外な輸出先、利用法

写真: JOEL SARTORE

 「全体は部分の総和に勝る」――これはアリストテレスの名言だが、養鶏業界には当てはまらない。米国産のブロイラーの約9割が、部位ごとに切り分けて販売されているのだ。また、胸肉は味が淡泊だといわれるが、米国人はそうした白身を好んで食べるため、胸肉はほとんど国内で消費し、それ以外の部位を世界各地に輸出している。米国は国内需要の少ない部位を売るため、海外市場を開拓してきた。その結果、鶏肉の総生産量に占める部位別での輸出量の割合が、1990年の6%から現在は20%以上に急増中だという。

 それぞれの部位がどこへどれほど輸出され、どのように利用されているのか。鶏肉の行方を見てみよう。

手羽肉

最大輸入国:中国
米国の総輸出量:10万7937トン

手羽先はアジアでは昔から好まれていたが、米国での消費量が増えたのは「バッファロー・ウィング」の人気によるところが大きい。ニューヨーク州バッファローが発祥の、素揚げした手羽肉にピリ辛のソースをからめた料理だ。

羽毛

最大輸入国:インドネシア
米国の総輸出量:19万1255トン

米国の養鶏産業が産出する羽毛は、年間約145万トン。すりつぶして粉末にされ、家畜の飼料やプラスチックの強化剤として利用される。

骨付きもも肉

最大輸入国:ロシア
米国の総輸出量:181万9717トン

1990年代初め、ソ連崩壊の混乱で起きた食料不足を救おうと、米国が鶏のもも肉を提供。ロシア人はそれを「ブッシュのもも肉」と呼んだ。援助が終わった今も、ロシア人はもも肉を好んで食べる。

内臓

最大輸入国:南アフリカ共和国
米国の総輸出量:4万3978トン

腸はたいてい加工処理場に送られ、すりつぶしてペットフードや肥料として再利用される。

最大輸入国:中国
米国の総輸出量:29万9833トン

日本の鶏肉業界では「もみじ」と呼ばれる鶏の足。アジア市場が開拓される1990年代初めまで、米国では価値のない部位と考えられていた。

出典: USA POULTRY & EGG EXPORT COUNCIL; USDA FOREIGN AGRICULTURAL SERVICE
中国のデータには香港、マカオ、台湾は含まれない。