3Dプリンタからレタス栽培まで、宇宙で食料調達するNASAの挑戦

国際宇宙ステーション(ISS)で、野菜栽培システム「Veggie」を稼働させるNASAの宇宙飛行士スティーブ・スワンソン。(Photograph by NASA/Dimitri Gerondidakis)

 NASAは昨年、本物そっくりの食べものを作ることができる3Dフードプリンタの開発に、12万5000ドル(約1300万円)を助成した。これは宇宙ステーションの長期滞在者や、未来の火星移住者が使うことを想定したものだ。プリンタを使って宇宙で食事を作るなんて、まるでSFのように聞こえるかもしれないが、その詳細はNASAの公式サイトにもちゃんと掲載されている。

宇宙では地産地消が欠かせない

 宇宙への移住競争はすでに始まっており、オランダの非営利団体による火星移住計画「マーズワン」は、2025年までの移住開始を目指している。
 この肥沃な地球の上でさえ、2050年には90億人が食べていくのは難しいことを考えると、水のほとんどない惑星で食料を調達するのがどれほど困難かは想像に難くない。先月、民間会社の補給機が約1トンの食料を含む荷物を国際宇宙ステーション(ISS)まで輸送した。同様の輸送事業に対して2016年までに同社に支払われる経費は、20億ドル(2000億円)近くにのぼる。

 たかだか地球から400キロしか離れていないISSまでの輸送でこれほどの経費がかかるのに、5600万キロかなたで待つ火星の住人まで食料を送り届けるとなると、相当の労力を要することはまちがいない。宇宙でも地球と同じように、地産地消を実現したくなるのは当然だ。遠くまで食料を運ぶ代わりに、現地で食料を調達するために資金を投資するのだ。研究開発がすすめば、地球の食料の未来にも新たな可能性が見出せるかもしれない。