第4回 ウナギ保護の具体的な課題とは

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 ずっとウナギを食べ続けるために何が求められるかが論議された公開シンポジウム「うな丼の未来2」。ウナギの研究者のみならず、ウナギの漁や養殖を生業にしている漁業関係者や、ウナギを扱う流通業者、さらにはウナギや河川を管轄する行政関係者が参加し、それぞれの立場で講演が行われた後、シンポジウムの最後には会場を交えて総合討論が行われた。

どの程度減ってしまったのか? 求められる正確な資源量推定

 消費すれば減少するばかりの鉱物資源と違い、繁殖によって増加する水産資源は増加分だけを利用していけば、理論的には未来永劫、資源は枯渇することはないはずだ。しかし、現実には増加分だけを利用することは難しく、需要に応じて過剰漁獲になってしまい、資源は枯渇に向かってしまう。そこで求められるのが資源量の正確な把握だが、今回のシンポジウムでは総合討論から参加した三重大学の勝川俊雄准教授がこう指摘した。

「ニホンウナギが減っているのは間違いないとしても、どの程度減っているのかがわかっていません。現状把握すらできていないわけで、これでは効果的な対策は立てにくい。漁獲量のデータも資源の推定には利用できますが、漁獲量だけでは不十分です」

 というのも、漁に出る者の数にも左右されるからだ。そこで、求められるのが、どの程度、漁獲行為を行ったのかを示す「努力量」だ。

 例えば、漁獲量が増えていても、それ以上に努力量が増えていれば資源は減少傾向にあると評価できる。ニホンウナギの場合、努力量を勘案する以前に大幅に漁獲量が減っているため、資源が減少しているのは間違いないが、加えて努力量も明らかになれば、より正確な資源量の推定が可能になる。

 ただし、努力量を明らかにするためには漁業関係者に漁に出た時間、日数を報告してもらわなければならない。シンポジウムを聞きに来た、ある漁業組合関係者は「私たちの組合では、組合員に何日、何時間漁に出たかを報告してもらっている」と述べたが、これを全国の組合に一律で実施することは決して簡単ではないだろう。漁業関係者のボランティアに頼るだけでなく、ニホンウナギの資源量の正確な推定のため何らかの行政の支援が求められる。

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