第4回 ウナギ保護の具体的な課題とは

漁業から独立した純粋な調査活動でニホンウナギの資源の推定は可能か?

北里大学海洋生命科学部の吉永龍起講師

 一方、漁業と独立してニホンウナギの科学的な調査が行われれば、漁獲量と努力量が得られずとも、より正確な資源量の推定が可能となる。そこで、北里大学海洋生命科学部の吉永龍起講師らのグループは「鰻川計画」という川に遡上するニホンウナギの個体数を調べる活動を行っている。吉永さんがこう説明する。

「月に1度、新月の夜に2時間だけ、シラスウナギの数を調べる調査活動です。2時間を過ぎれば、目の前をシラスウナギが泳いでいても数えることはありません。こうして調査方法を一定にすることで、ニホンウナギの資源量の推定に役立てられるデータが得られると期待していますが、この活動はボランティアで行っているもので、ずっと続けられるかどうかは不透明です」

 現在、鰻川計画は国内の7つの河川で実施されているが、より正確な資源量の推定を行うにはさらに広域のデータが必要だ。理想を言えば、吉永講師らだけでなく、河川環境の改善を目的としたNGOなどが調査の担い手になっていくことが求められるものの、ボランティア頼みでは継続性に不安が残る。漁業とは独立した調査についても、行政による恒久的な支援を期待したい。

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