第2回 まるで宇宙生物! イカを解剖してみよう

イカには貝の痕跡もある!

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 まだ見るべきところは多いのですが、今回は最後に眼と脳を取り出してみましょう。先ほど口球を取り出した空間にハサミを入れ、眼と眼の間を切っていくと肌色の臓器が見つかります。これが脳です。また眼の後ろから指を入れて眼を押し出し、眼の周りを切ると眼球が取り出せます(無理をすると眼球内の液が飛びます。注意してください)。

 イカの眼はレンズがしっかりしているので、ぜひ取り出して、新聞の上に置いてみてください。レンズを通して新聞の文字が大きく見えるはずです。

 これで、ひとまず解剖を終わることにしますが、このイカには貝の痕跡も残っています。ぜひ子どもと一緒に探してみてください。ヒントは固いもの!

 どうでしょう? 見つかりましたか? 実は胴の中を通っている透明の背骨のようなものがありますよね。これが軟甲と呼ばれる貝殻の痕跡なのです。

 ところでこうして解剖してきたイカは、オスなのでしょうか、メスなのでしょうか? オスかメスかは生殖器で確認するしかありません。成長したイカのメスは胃の近くに卵巣が発達します。オスは精莢(せいきょう)というものが見つかりますが、若い個体ですとわからないこともあるので、今回はふれないことにします。

 魚屋さんやスーパーで売っているイカにも秘密がいっぱいです。ぜひじっくり調べてみてくださいね。そうそう、スケッチも忘れずに! 子どもたちにさせるなら解剖の記録は写真よりスケッチが断然有効です。しっかり見ることから始めてくださいね。

番外編 寄生虫を探せ

 解剖とは直接関係ないですが、イカを解剖すると寄生虫にも出会えます。胃の中にはアニサキス(糸のように細く、くねくね動いています)、口の周りや外套膜に食い込んでいるニベリニア(肌色で5mmくらい)など、いろいろチェックできます。ルーペや顕微鏡で観察して、これもいっしょにまとめてみましょう。

越澤哲也

越澤哲也(こしざわ てつや)

1964年、名古屋市生まれ。1992年のサイエンス倶楽部立ち上げから参画し、20年以上にわたり理科実験を教えている。「理科離れの声も聞こえますが、子どもたちは本来、好奇心のかたまり。その気持ちを目いっぱい引き出せる、楽しくてためになる実習づくりに日々励んでいます」。共著に『理科実験で科学アタマをつくる』(ベレ出版)。

サイエンスクラブ

1992年に設立された科学実験教室。幼児から中学生までを対象に、首都圏を中心に22教室を展開している。本格的な科学実験を自分たちでやることを通じて、子どもたちに「発見することの喜び」や「考えることの豊かさ」、「仲間と協力して目標に挑むことの価値」を体感してもらうことを目指している。くわしくはこちら。 http://www.science-club.co.jp/