『日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2013』のグランプリを受賞された宮武健仁さんの個展が、2014年5月28日~6月7日、米国ニューヨークのSteven Kasher Galleryで開催されました。個展の模様はCBS Newsなど20以上のメディアで紹介され、注目を集めました。その宮武さんの体験記です。

 私は四国の徳島で暮らしながら、水や火山の風景をテーマに撮影している写真家です。
 このたび、火山の赤い火や発光生物の光など、闇夜に光る地上の光を題材にした5点組写真「輝く光景」で、日経ナショナル ジオグラフィック写真賞のグランプリに選んでいただきました。

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 「ナショジオ」といえば、カメラマンにとって孤高のあこがれの存在。日経ナショナルジオグラフィック写真賞は、その存在感に加えて、グランプリ受賞者にニューヨークのギャラリーで個展を開催させてくださるという、正に世界に開かれた夢のような写真賞です。あまたの第一線の写真家たちのなかから自分が選ばれるとは、思ってもいないことでした。

 受賞が決まってからは米国での個展に向けて打ち合わせを繰り返しました。「世界で感動してもらえる風景」選びと、その写真たちを通して伝えたい「コンセプトを絞り込む」ためです。私はこれまで、日本国内の自然の四季の風景をテーマにしてきましたが、日本人が感じる季節の美や自然の雄大さを、米国の方々にも同様に感じてもらえるのか、伝えたい原点とも言える部分で「世界」とのギャップがあることに何度となく戸惑いました。

 しかし、『ナショナル ジオグラフィック日本版』の編集部をはじめ、多くの方々に支えられて、個展に出す企画はとても良いものに熟成されましたし、その過程や方向性などは大変勉強になりました。

 そうして私は、写真賞の受賞から約4カ月後の5月下旬、個展のために初めて渡米しました。個展を開催するのは、ニューヨークでも340軒ほどのギャラリーがひしめくチェルシー地区。犬を散歩させている人が、通りからそのままギャラリーに入ってくるような、芸術に対する気軽さもある街です。

 絵画や彫刻、前衛芸術など多様なアートの発信地となっているギャラリーでは、どの作品にも価格が付けられていました。コレクターの方たちが作品を求め、購入する文化があることの表れです。

 オープニングのレセプションには、そうしたコレクターやメディアの方たちが大勢集まってくださいました。通訳の方を介して取材を受け、数々のメディアにも紹介していただきました。来場者からは、桜島の噴火の迫力ある姿に驚いた、とか、ホタルやホタルイカの神秘的な光景に感動した、同時に米国にもホタルがいて親しみを感じるといった言葉をいただきました。

 なかには「この雄大で神秘的な自然風景のすぐそばに日本人の暮らしを感じることができ、より日本に行きたいと思った」という言葉もありました。そこまで深く作品を見て下さることに驚いたのと同時に、ニューヨークで個展を開く貴重な機会をいただけて本当によかったなと思いました。

 この経験を生かし、もっと世界の人にも驚いてもらえる写真を撮っていきたい、そんな思いを強くしたニューヨーク個展体験でした。(宮武健仁)

【募集中!】日経ナショナル ジオグラフィック写真賞2014 (10/31まで)

グランプリ受賞者は米国ニューヨークで個展が開催できる『日経ナショナル ジオグラフィック写真賞』。今年も10月31日まで募集中です。世界を驚かせる写真のご応募を、お待ちしております。くわしくはこちらからどうぞ。
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