国際的な絶滅危惧種となったウナギを救う、二つの「劇薬」

IUCNによって絶滅の恐れが高まっているとされたニホンウナギ(提供:海部健三・中央大学助教)

 国際自然保護連合(IUCN)が、絶滅の恐れがある野生生物を評価したレッドリストで、ニホンウナギを絶滅危惧種に分類した。3ランクある絶滅危惧種の中で2番目に高い「近い将来における野生での絶滅の危険性が高い種」である。

 河川や湖沼などウナギの生息地となる環境が失われたことやダムや水力発電所、河口堰などの建設によって川と海を行き来するウナギの回遊が妨げられたことなどがウナギ減少の理由とされるが、なかでもウナギを絶滅近くにまで追い込んだ大きな理由としてIUCNが挙げているのが、乱獲つまりウナギの捕りすぎと食べ過ぎだ。

 世界のウナギの70~80%を消費しているといわれる日本が、ウナギの保全にも最も大きな責任を持っていることを自覚し、ウナギ資源保全の取り組みを強化するきっかけにしなければいけない。

 日本の親ウナギの漁獲量は1981年の1920トンから2011年の229トンに減り、稚魚のシラスウナギの漁獲は過去30年間で90%以上減った。IUCNはこうした漁獲量のデータに基づき、「この30年間で、個体数が少なくとも50%以上減少し、減少した理由が今も続いている」と評価、絶滅危惧種認定に至ったわけだが、これはかなり控えめな評価である。日本のデータなどからみれば、もう1ランク上の「近い将来の絶滅の危険が差し迫っている種」とされてもおかしくない、というのが日本の研究者のもっぱらの評価である。

 2010年にレッドリストに掲載されたヨーロッパウナギのケースがこれに当たり、この評価は今回の見直しでも変わらなかった。

 IUCNはまた、インドネシアなどに生息するウナギの一種バイカラーについても、ニホンウナギの減少に伴って代替種としての需要が高まっており、国際取引が増加傾向にあるなどの問題にも言及している。