第1回 トマトもブドウもメディカルハーブ? ナショジオ「メディカルハーブ事典」より

(写真:Lynn Johnson/NationalGeographicStock.com)

 トマト、ブドウ、ザクロ、唐辛子、ショウガ、クランベリー、アロエ、シナモン、ココア、ターメリック……。これらの共通点がわかりますか? 野菜か果実だけでなく、スパイスまであって、すぐに思い浮かぶのは「植物」や「食物」ということくらい。

 実はこれらはすべて「メディカルハーブ(薬用ハーブ)」と言われる植物なのです。メディカルハーブとは、日常の中で料理や生活に伝統的に使われてきた植物(ハーブ)のうち、含まれている成分を健康維持のために用いられるものを指します。日本で発達した漢方薬でもおなじみの「当帰」などもメディカルハーブに入ります。これはメディカルハーブにぴったりなイメージです。ここに挙げた72のメディカルハーブ(下表参照)は、そのほとんどが、古くから人類が目を付けて、長い年月をかけて病気の予防や治療に用いてきたものです。本書に載っているメディカルハーブの中には、漢方でもおなじみのハーブに加えて、香辛料、そして私たちがふだん口にする見慣れた野菜や果物まであり、「薬用」のイメージからほど遠いと感じられるかもしれません。

 古代ギリシャやローマ、あるいはインドのアーユルヴェーダ医学、さらに中国医学などで重用されたメディカルハーブが数多く登場します。この本では、古くからあるさまざまな用い方の中で、現代の科学でどう説明するのか。あるいは現代の医学では、どう用いることが正しいのか。さらには俗説が本当なのか、あるいは違うのかを、最新の動物や臨床での研究の成果をもとに説明されています。

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