第5回 シベリアの果てから1万3000キロ! 嘘みたいなサバイバル脱出劇

 第2次世界大戦が終結した時、ソ連の捕虜となったドイツ軍兵士は2万人を数えた。コルネリウス・ロストは1944年に捕らえられ、1年後に重労働25年の刑を言い渡された。送られた先は遠く離れたシベリアの果ての、凍てつく鉛鉱山だった。

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地の果ての収容所

 囚人たちは鉛鉱山の穴の中で暮らした。警備兵たちは、彼らを情け容赦なくこき使い、毎日12時間働かせた。運がよければ週に1回、1時間だけ太陽を拝めた。囚人は疲労で死ななかったとしても、鉛中毒で確実に死んだ。

 ロストの刑期は25年だったが、実際はその前に人生の方が終わってしまうだろう。ロストには自分がすぐに衰弱し、力尽きることがわかっていた。周囲に果てしなく広がるのは、凍りついた無の世界。それでもロストは、とにかく脱走を試みるべきだと考えた。

 ロストはすぐに逃げ出したが、そのせいで仲間の囚人の食糧はほぼゼロにまで減らされた。11日後に捕まったロストは餓死寸前の囚人仲間にひどく殴られ、死にかけた。

 それから3年が過ぎた頃、ロストは再び脱走の機会を見つけた。

本当にあった 奇跡のサバイバル60

 岩に挟まれた自分の腕を切り落として脱出した登山家、8年間地下室に監禁された少女、ヒッチハイカーを乗せたら身ぐるみをはがされて不毛の荒野に放置された男、難破した船上でくじ引きで負けた仲間を食べて生き残る男たち……。
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